減少する書店 一方、増加する独立系書店とは?

先日、近所の書店を訪れました。幼い頃から慣れ親しんでいた本屋さんで、地元では一番大きな店構えです。しかし、書店のスペースは縮小され、一部に別のテナントが入っていました。書店の減少や活字離れが話題になる昨今、売り場が小さくなるのは仕方ないことなのかもしれませんが、少し悲しい気持ちになりました。

 

実際、書店の退潮は全国で急速に進んでいます。経済産業省の報告をみると、2022年時点で20年前の半数ほどに減っていることが分かります。

 

(総書店数および書店面積の推移 公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所)

 

活字離れが進み、本の需要が低下する今、書店が厳しい状況に置かれていることは否めません。一方で、新たな書店の誕生や読書の在り方も注目したいものです。

 

その1つが独立系書店です。個人が経営する規模の小さい本屋のことで、大型書店とは異なり、店主のこだわりや趣向に沿って選ばれた本が並びます。

 

筆者自身、こうした小さな本屋に足を運ぶことが好きです。普段、大型店では自分から手を取ることがないような本に出会い胸が高鳴ります。そして、店主ごとの個性溢れる雰囲気にもワクワクさせられます。大型書店が姿を消すことが少なくない今、書店が形を変えながらも多くの人の手に本を届けてくれることを願っています。

 

書店を守る動きも見られます。4月1日付の読売新聞朝刊では、出版取次大手のトーハンが小型書店の開業をサポートするサービス「HONYAL」(ホンヤル)を始めたとありました。書店が減る現状に対して、小型でも特色のある書店が増えていく可能性はあると考えたことをきっかけにスタートさせたそうです。これからも様々な取り組みが広がり、読書が愛され続けることに希望をつなげたいものです。

 

参考記事:

4月1日付 読売新聞朝刊「[LEADERS]本屋にチャンス届ける トーハン会長 近藤敏貴氏63」

 

参考資料:

経済産業省「活字離れは本当か?」

NHK「本屋さんは必要?大型書店が消える一方で増える独立系書店・・・」