皆さんは学校教員にどんなイメージを持っていますか?文部科学省によると、公立学校教員の採用試験倍率は年々下がり、2024年度は小学校2.2倍、中学校4.0倍、高校4.3倍と過去最低になりました。連日報道される教員不足問題はなぜ起こるのでしょうか。
要因の一つに労働環境の悪化が挙げられます。教員は産休・育休が取得しにくくなりました。これは団塊世代という戦後のベビーブームに生まれた人たちの大量退職に伴い、現在の20歳代から30歳代にかけて採用数を増やしたことから始まります。そしてその世代が結婚・出産の時期になり教員が足りなくなるということです。
一般的に教員が産休・育休を取得する際、その期間は非正規教員が補充されます。しかし、現在では代わりの教員を見つけることが難しくなっており、産休・育休を取得したいと言いにくい環境になってしまっています。どうしても引き受け手が見つからなかったため、教科分野の近い先生に臨時免許を発行して授業をしてもらった事例さえあります。
大阪府では教員の穴埋めのため、「ペーパーティーチャー」への呼びかけに力を入れています。ペーパーティーチャーとは教員免許は持っているが教員として働いていない人や長らく教育現場から離れている人のことです。しかし、学級担任や部活動まで任されるにもかかわらず、給与水準は高いとは言えません。
筆者は大学で教職課程を履修しています。同じく教職の授業を受けている友人からも今の教育現場の労働環境を不安に思う声を聞きます。正規教員の採用を増加させることや非正規教員の待遇改善に努め、教員の負担を減らしていくことが重要だと思います。今後の行政の動きにも注目したいです。
参考記事:
15日付 読売新聞オンライン 教員不足に新モデル…大学院で学び非常勤で実践(https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20250215-OYO1T50034/)