電車の改札もクレカで 快適な移動へタッチ

先週、友人とタイ旅行に行った際、電車の改札をクレジットカードのタッチ決済で通過する体験をしました。バンコク市内では、MRTブルーラインと国鉄が運営するSRTのみがVISAカードとMastercardのタッチ決済に対応しているようです。

実際にMRTブルーラインを利用した際には、日本のICカードのような感覚で改札を通過することができました。旅行者につきものの戸惑いもなく、地元の人々に交じって電車に乗れました。日本の3倍ほどの速さのエスカレーターには観光客丸出しでしたが。ただ他の路線では、いちいち券売機で乗車券を購入する必要があり不便を感じました。

同じくタッチ決済を利用した立命館大学の深井健太さん(22)は、「海外旅行する際に、決済に困らなくてよい。日本でも普及すれば、より便利に生活ができると思う。しかし、年齢や経済状況などの関係で、皆がクレジットカードを利用できるとは限らないし、不正アクセスなどのリスクが高まるとも感じた」と言います。

日本で生活しているとICカードのありがたみを感じますが、訪日観光客はどうでしょうか。思い返すと、切符売り場であたふたする訪日観光客を目にします。声をかけたくても電車の発車時刻などもあり通り過ぎてしまう、ただ心が痛むだけの日々です。そんな日本でも、一部地域でタッチ決済の取り組みを進めています。

都交通局や京浜急行電鉄などは、都内や神奈川県内の計36駅でクレジットカードをかざすだけで運賃を支払えるタッチ決済サービスの実証実験を始めた。実験は、増加するインバウンド(訪日外国人客)に対応するのが目的。(中略)クレジットカードのタッチ決済は全国の鉄道やバス事業に広がっており、三井住友カードによると、33都道府県138事業(2024年12月12日時点)で導入されている(読売新聞,2024)。

筆者も大阪・梅田でタッチ決済の改札口を目にしたことがありますが、利用している人はほとんど見かけませんでした。訪日観光客にも日本人についても、現時点でどれだけ需要があるのかは分かりません。しかし、海外からの旅行者が移動しやすいような交通設備の整備が何よりも大切だと感じます。これからもタッチ決済や訪日観光客の動向を注視していきます。

 

 

参考記事
2024年12月22日付読売新聞「改札タッチ クレカOK 都営地下鉄など実験=東京」.