正月の風物詩 皆さんは出初式を知っていますか?

出初式(でぞめしき)を聞いたことがありますか?これは毎年、正月に開かれる消防のイベントです。大阪市では昨日開催され、東京都は本日東京ビッグサイトで行われます。いつ頃から始まり、イベントでは何をするのでしょうか。

宇都宮市の出初式(2024年1月6日、筆者撮影)

その歴史は江戸時代にまでさかのぼります。1657年に起きた明暦の大火では江戸城を含む江戸の大半が焼失し多くの犠牲者を出しました。江戸の歴史上最大の火災被害とされ、翌年から幕府直轄の消防組織である定火消(じょうびけし)が制定されました。そして定火消が正月に上野東照宮で気勢を上げたことが出初式の始まりだと言われています。元々は1月4日に開催されていましたが、徐々に6日に、そして近年は1月中旬の休日に開催する自治体が多くなっています。

筆者は去年、宇都宮市の出初式を見ました。駅前の大通りを消防隊や救急隊、自衛隊など1500人が行進し、宇都宮城址公園では救助訓練や放水訓練が披露されました。音楽隊による演奏もあり、会場には多くの人が詰めかけていました。出初式は新年の安全を祈願し、防災意識を高めるだけでなく、住んでいる地域の消防行政について知るきっかけになると思います。

1日で能登半島地震から1年が経ちましたが被災地は今もなお厳しい生活が続いています。また、気象庁によると30年以内に70%から80%の確率で南海トラフ地震が起こるとされています。地元の出初式に足を運び、防災について考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

参考記事:

 

2024年12月24日付 日経新聞電子版 ~阪神・淡路大震災の教訓を次世代に伝える~ 消防出初式を開催[豊中市](https://www.nikkei.com/compass/content/PRTKDB000000771_000078420/preview