お正月と言えば箱根駅伝! 開催される真意とは?

2025年1月2、3日に今年で101回目となる箱根駅伝が開催されました。今年は往路でトップに立った青山学院大学が総合優勝を果たしました。

 

箱根駅伝の正式名称は東京箱根間往復大学駅伝競走で、現在はオープン参加の関東学生連合チームを含む全21チームが10区間、合計217.1キロを10名の選手で駆け抜けます。距離やルートは下記の表の通りになります。

2つとも筆者作成

 

読売新聞運動部(2016年)「箱根駅伝 世界へ駆ける夢」によると大会の創設には第五回オリンピックにマラソン代表で出場した金栗四三さんが深く関わっているといいます。箱根駅伝は金栗さんの「世界に通用するランナーを育成したい」という思いからが始まりました。

筆者は箱根駅伝を選手たちが目標にする大会だと考えていたので、この「育成」という言葉に驚きました。第一回大会は1920年2月14日、15日に開催され、早稲田大学、慶応義塾大学、明治大学、東京高等師範学校(筑波大学)の4校が参加しました。この大会は「四大校駅伝競走」という名称で行われ、東京高等師範が優勝を飾りました。読売新聞東京本社前には箱根駅伝歴代優勝校のプレートが展示されています。

箱根駅伝歴代優勝校のプレート(1月3日、筆者撮影)

 

箱根駅伝はこれまで何度もルートが変更されています。第1回では主催社であった報知新聞社前(東京・有楽町)がスタート兼ゴール地点でした。しかし、第2、3回大会は日比谷公園に変わり、第4回からは報知新聞社前に戻されます。

 

第二次世界大戦中にも、1940年の第21回大会を最後に中止されていた大会が43年に3年ぶりに開催されています。この時は元のコースではなく靖国神社~箱根神社間を往復する形でした。その後の44、45、46年は中止され、47年に第23回大会として復活し、戦前と同じ有楽町にある読売新聞社前から始まるコースになりました。直近では2017年に開催された第93回大会のときに4区と5区の距離配分が変更されています。4区は18.5kmから20.9kmに伸び、5区が20.8kmと短縮されました。

戦後初めてコースの距離が測定された第31回大会での総距離は223.4kmでした。その後、第67回、第81回、第91回大会前に計測され、このうち第91回大会の時は日本陸連に計測を委託したうえで、217.9kmから217,1kmに変更されています。これはコースの変更に加え、時代とともに計測の精度が上昇したためだと考えられます。

 

24年はテレビ応援でしたが、今年は箱根駅伝(復路)のコースに足を運び、会場の熱気に圧倒されました。観戦したのはゴール地点である読売新聞社前付近で、選手を応援する声であふれておりこの駅伝の注目度の高さを再認識しました。今後は大会が行われた経緯や歴史にも関心を持って観戦を楽しみたいです。

ゴール地点である読売新聞社前(1月3日、筆者撮影)

 

参考文献:

日経電子版 2015年1月31日付 今年の箱根駅伝 再計測 コース一部変更受け

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82633110R30C15A1UU8000/

読売新聞オンライン 2023年9月12日付 【第22回箱根駅伝】戦時下で3年ぶり開催、日本大が制す…「戦勝祈願」名目に「靖国神社―箱根神社」間を往復

https://www.yomiuri.co.jp/hakone-ekiden/history/20231207-SYT8T4760498/

読売新聞オンライン 2025年1月3日付 箱根駅伝【詳報】青山学院大学が大会新記録で連敗、3位は国学院大…順大7秒差でシード落ち

https://www.yomiuri.co.jp/hakone-ekiden/news/20250102-OYT1T50032/

参考資料:

増補版 箱根駅伝 世界へ駆ける夢 読売新聞運動部(2016)