66歳の東京タワー 今も健在な秘密は?

東京都港区芝公園に1958年12月23日、東京タワーが完成しました。今年9月4日には総来場者数が1億9000万人を突破し、東京を象徴する名所になっています。筆者が訪れた日も大勢の観光客が訪れていました。

 

東京タワーという愛称で親しまれていますが、正式名称は日本電波塔でテレビ、ラジオなどの電波を送信する電波塔として建設されました。しかし、2013年に東京スカイツリーが開業し、役割が移行してからは緊急時のバックアップと一部のFMラジオの送信を担っています。

東京タワー(12月21日、筆者撮影)

 

 

装飾に使用されている色は厳密には「黄赤(インターナショナルオレンジ)」と「白」です。この塗色は航空法によって定められており、高さが60m以上の建物には昼間障害標識と航空障害灯の設置が義務付けられています。昼間障害標識は「塗装」「旗」「表示物」の3種類に分けられており、その上で色、標識、物件の形状によってさらに細かく分類されています。東京タワーについて実施要領には「物件の最上部より黄赤と白の交互に帯状に塗装」と記載されていました。

 

11年の3月に発生した東日本大震災ではタワーの先端部にある地上アナログ放送用アンテナが曲がってしまい、一部の地域でアナログ放送が見えにくくなったこともありました。多少の傾きでも影響がでてしまう電波塔の役割の重大さを感じました。東京タワーには1脚に10本ずつの深礎脚柱が東京湾の海面レベルまで深く達して地震から守っています。さらにそれぞれの部材で三角形を構成するするトラス構造が採用されているため、ピン接合部分には曲げモーメントを受けにくくなります。

 

日本最大の高さを誇る東京スカイツリーはこのトラス構造に加え、心柱の技術が使われています。周りを被っている鉄骨部から独立して心柱が建設され、地震の揺れを塔内で吸収し地震や強風からタワーを守っています。心柱が使用された制振構造は法隆寺にある五重塔(奈良県)を参考にしたと言われています。

東京スカイツリー(12月21日、筆者撮影)

 

今年で開業から66年を迎える東京タワー。建物全体に施されている安全対策の重要性を改めて感じました。観光名所に行く際にはそれぞれの災害への備えにも着目して生活したいと思います。

 

参考文献:

日経電子版 2010年8月1日付 スカイツリー、モデルは法隆寺 「五重塔」参考に

https://www.nikkei.com/article/DGXBZO11913800Q0A730C1I00000/

読売新聞オンライン 2024年9月5日付 東京タワー来場1.9億人

https://www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20240904-OYTNT50254/

 

参考資料:

国土交通省

https://www.mlit.go.jp/

東京タワー公式ホームページ

https://www.tokyotower.co.jp/

東京スカイツリー公式ホームページ

https://www.tokyo-skytree.jp/