最近、裁判傍聴にハマっています。無料で参加でき、なおかつ非日常的な空間にさらされるため一種の中毒性があります。今回は、筆者が3回ほど傍聴した中で気付いたこと、イメージとのギャップについて紹介していきます。
下宿先から自転車で15分ほどの距離に、京都地方裁判所があります。建物の中に、大小異なる法廷があり同時進行で複数の裁判が進められていきます。また、何時にどこの法廷でどのような裁判をするのかは当日の予定表から確認できます。ただし、予定表はおろか、裁判所の敷地内は全て撮影厳禁です。筆者が初めて足を踏み入れた際、敷地内にある看板を写真で撮影しようとしました。すると撮影に気付いた2人の警備員が一目散に私の元に駆け寄り、今撮った写真を消すように言われました。悪意を持って撮影したわけではありませんでしたが、非常に怖い思いをしました。
裁判所の建物内に入ると、初めに手荷物検査があります。これは、空港などと同様でX線検査です。飲料は持ち込み可ですが、中身を見せる必要があります。警備員5、6人体制のもと、かなり厳重に調べている印象があり、筆者が以前投稿した中国の安全検査より入念でした。
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裁判が始まる10分ほど前から、入廷できます。傍聴席からは、よくドラマで見るような裁判セットの実物があり興奮します。弁護士と検察官、書記官が揃ったタイミングで裁判官が登場します。その瞬間、場の空気がぐっと締まるのを感じます。
そして、審理が淡々と進んでいきます。ドラマで見るような、「異議あり!」と叫ぶとか弁護士が席を立ちあがり歩き回るといった光景はありません。ある裁判で、筆者の携帯電話の目覚ましアラームが鳴ってしまったことがあります。裁判長からの注意はありませんでしたが、軽い気持ちで傍聴していたことを深く反省しています。携帯電話はマナーモードにすることはもちろん、できれば電源を切ることを推奨します。
初めて裁判傍聴をしたという立命館大学法学部の岸本真和さん(21)は、こう話します。「被告人と傍聴人席との近さに驚きました。道を踏み外すと自分が柵の向こう側に座っているかもしれないと考えさせられ、罪を犯すことの重大さを身をもって体感しました」
1つの裁判が終わり次第、続けて別の裁判を傍聴することも可能です。これまで覚せい剤取締法違反や闇バイト、危険運転致死罪などの刑事裁判に立ち合いました。どの裁判も被告人や遺族の人生がかかっているため、とても張り詰めた空気でした。袴田巌さんの再審をはじめとして、司法権力への信頼性が揺らいでいる今日、私たち国民が自らの眼で裁判の行方を見守ることの意義や重要性を感じました。今後も、裁判傍聴を続けていきたいと思います。