最近、新幹線によく乗ります。就職活動真っ最中で、インターンや面接で東京に行く機会が多いのです。他にも今年は、京都から広島や福岡、長野に行く際にも使いました。1964年に開業した東海道新幹線は今年で60周年。少しずつ変化していることを知りました。
筆者が最もよく乗るのは京都-東京間の「のぞみ」自由席。学割で自由席の切符を買えば、「のぞみ」指定席より往復約5000円も安くなります。交通費が出ないインターンや面接も多いため、値段の安さは学生にとって嬉しい点です。また、好きな時刻の列車に乗ることができるため時間に余裕ができ、面接が終わったご褒美に東京駅でお土産を買ったり、街を散策したりできる点も魅力です。
そんな新幹線の自由席について、気になる記事がありました。現在3両ある「のぞみ」自由席を、来春から2両に減らすというものです。朝日新聞によれば、16両編成のぞみの約1320席のうち現在は1~3号車の250席が自由席となっています。2003年に自由席は設定されましたが、今回の変更はそれ以来のものです。列車変更が簡単なネット予約システムの普及により、利用者の指定席ニーズが強まっているためだといいます。
確かに、自由席が混雑していたら立つ必要がありますが、指定席なら確実に座れます。ネット予約により、「好きな時間に乗れる」という魅力は自由席だけのものではなくなっているようです。早めにネット予約をすることで、割引となる商品もあります。
日本経済新聞の記事では「指定席の増加はJRの業績にもプラスになる」と指摘されています。東京から新大阪までの指定席と自由席の料金差は850円。指定席に振り替える1両分の全席が埋まれば7万円の増収になるといいます。
さらに、「駅の混雑緩和も期待する」といいます。確かに、新幹線のホームでホーム柵に近づきすぎた乗客に、「下がってください!」と駅員がアナウンスしている場面をよく見ます。自由席を利用する人が減れば、「この列車の自由席はいっぱいだから次に乗ろう」と滞留するような人が減るでしょう。たしかに安全な運行に貢献するという面はありますが、自由席がさらに混雑することも考えられます。変更の後、どうなるかが気になるところです。面接のために乗ることが多い私は、これからも列車変更の手間がなく値段が安い自由席を選び続けると思います。自由席を利用していた人を指定席に誘導するためには、ネット予約の利便性以上の何らかの施策が必要だと感じます。
このような制度の見直しに加え、新たなサービスもつくられています。日経新聞によれば、JR東海では、東京駅から京都のホテルまで荷物を運搬するサービスの実証実験が行われました。東海道新幹線の空きスペースを利用するものです。現在京都ではオーバーツーリズムが問題となっていますが、このサービスが実現すれば交通機関の混雑や駅でのトラブルを減らせるかもしれません。観光客も大きな荷物を運んだりロッカーを探したりする手間が減り、手ぶらで観光できて楽になります。このような新サービスにも注目しています。
60周年を迎えた新幹線。利用者の需要と技術の進歩に合わせて変化していることが分かりました。少し特別な新幹線での移動を、快適に楽しみたいものです。
【参考記事】
11月28日付 朝日新聞朝刊 1面「のぞみ自由席、来春削減へ ネット予約普及、指定席志向強まる」
【参考文献】
11月28日付 日経電子版「「のぞみ」自由席削減、観光需要逃さず 駅の混雑緩和にも
」
12月2日付 日経電子版「東海道新幹線、旅の荷物を東京→京都へ 手ぶら観光実証」