バスの機能に革命 京都で混雑緩和目指す

京都観光には欠かせないのが路線バス。主要観光地を直接結ぶ観光特急バスなど新たな取り組みはありますが、通常の市バスにも多くの海外観光客や修学旅行生が乗車しています。そんな市バスでついに革新的な方式が採用されました。

それが「釣り銭方式」です。これはお金を投入すると自動的にお釣りが出るもので、京都市バス全810両で今日(2024年12月1日)から始まりました。

京都市バスの運賃は一律大人230円、小児120円です。これまでは、両替方式が採用されていました。小銭で支払う際は運賃ぴったりの小銭が必要で、もしなければ、バスの前方にある両替機を使う必要がありました。

市バスの両替方式は原始的で、少々効率が悪いと言わざるを得ません。バス停に停まっている時には原則として両替ができず、バスの走行中や信号待ちでの停車中に使うことになります。しかもほとんどの海外観光客はその仕組みを理解していないため、降車の際に手間取る姿が散見されていました。

更にバスが混雑していると、その両替がしづらくなります。筆者もICカードの残高が少ない際は、小銭で支払いをしています。ただ財布に230円がぴったりあることは少なく、事前にコンビニで買い物をして小銭を用意したり、乗車後に両替をしたりすることがほとんどでした。ただ、混雑していると人を押しのけてまで両替機に行く気が起きず、20円多い250円を払って降車することさえありました。

それが「釣り銭方式」になることによって、どうなったのか。実際に乗車してみました。相も変わらずぴったりの小銭はありません。そこで、降車の際に250円を運賃箱に入れたところ、わずか2秒ほどで20円が出てきました。お金を余分に入れたらお釣りが返ってくるという当たり前のことですが、その瞬間は感動すら覚えました。

5000円札や10000円札は使えませんが、1000円札でしたら対応しているそうです。今日からのスタートのため、その効果はまだ分かりません。とはいえ、京都市民としては新方式でスムーズな降車が可能になり、オーバーツーリズムが少しでも解消されることを期待します。

参考資料
2024年3月29日付MBS NEWS「ついに!京都市バス“釣り銭方式”の運賃箱を導入へ 現在は降車口付近での両替で混雑 利便性の向上に期待」.