今月1日、多くの企業が来春入社予定者の内定式を開催しました。
25卒生(学部4年、修士2年)の採用活動がひと段落し、26卒生(学部3年、修士1年)の選考に向けた動きが本格化しています。筆者のもとにも早期選考の案内が届くようになり、10月1日を境に潮目が変わったと感じています。
今年2月に就職活動を開始し、それから早くも8ヶ月が経ちました。こうした中で痛感しているのが、地方と大都市圏の就活格差です。
◯地理的なハンデ
大企業の本社の多くは東京や大阪などの大都市圏に集中しており、そのような会社を志望する場合、就活のために地方と大都市を行き来する必要があります。
筆者が住む札幌と東京との直線距離は約800キロメートル。札幌駅から東京駅までは飛行機と電車で少なくとも片道3時間半〜4時間程度はかかります。長距離の移動が続くと身体的にかなりの負担になります。
コロナ禍を経てオンライン開催のイベントは増えているものの、職場の雰囲気や実際の仕事の臨場感など、対面でしか得られない情報は多々あります。それだけに対面イベントに気軽に参加できないことは大きなハンデであると感じます。
◯金銭的負担
移動費や宿泊費といった金銭面でも大きな負担が生じます。
航空券は予約日から搭乗日までが近づくにつれて料金が高くなる傾向があります。しかし、選考の都合などから、インターンシップや面接への参加の可否が開催日直前に知らされることが少なくありません。
年々高騰している宿泊費も悩みの種です。近年は採用活動の一環として数日間にわたるインターンシップが重視されています。長期間のイベントは企業や業務への理解を深める貴重な機会ですが、日程が長くなるほど宿泊費はかさみます。
地方の人材確保に向けて交通費や宿泊費を支給する企業もありますが、支給のないイベントは少なくありません。
また、支給があるといってもイベントの翌月以降に振り込まれることも多く、一時的に学生が立て替える必要が生じます。用意できる金額には限度がありますから、必然的に参加できるイベントは絞らざるを得ません。
交通手段や通信手段の発達により地方と都市の心理的な距離は縮まりつつあります。しかし、就活においては依然として大きなハードルが残っています。格差解消のためにも地方学生へのさらなる配慮が求められます。それは有能な人材を幅広く発掘する点で、企業にとってもマイナスではないはずです。
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