北陸新幹線の敦賀への延伸から半年 議論されていた新大阪までの経路

3月16日に北陸新幹線が敦賀まで延伸されから、半年余が経ちました。金沢・敦賀間が開通した当日はセレモニーなどが行われ、早朝であるにもかかわらずホーム上で身動きがとれないほど多くの人々が駆けつけました。

金沢駅ホームの様子(3月16日、筆者撮影)

 

北陸新幹線は東京から上信越・北陸地方を経由して大阪までを結ぶ470.6kmにもなる路線です。運営は東京駅から上越妙高駅までをJR東日本、上越妙高駅から敦賀駅間をJR西日本が管轄しています。1997年10月1日に、まず高崎・長野駅間が開通しました。

北陸新幹線「つるぎ」(3月16日、筆者撮影)

 

北陸新幹線の金沢・敦賀間の延伸後、最初のお盆期間(8月9日~8月18日)での北陸新幹線(上越妙高~糸魚川)の利用者数はJR西日本によると39.7万人でした。一方、在来線特急の北陸線(米原~敦賀)の利用者は4.1万人と前年度の60%にとどまり、新幹線延伸の影響を受けたと考えられます。

 

いま敦賀駅から西のルートについても様々な議論が行われています。新大阪までを結ぶルートは3通りの案が検討されました。小浜(福井県)を経由し京都へ向かう「小浜・京都ルート」、米原(滋賀県)で東海道新幹線につながる「米原ルート」、舞鶴市(京都府)を経由する「舞鶴ルート」です。

 

16年には政府与党の整備新幹線建設推進チームが「小浜・京都ルート」(約143㎞)を採用することを決めています。京都駅から新大阪駅間については、17年にJR片町線の松井山手駅付近に中間駅を設ける「南回り案」となりました。さきに国土交通省は「小浜・京都ルート」の駅の位置やルート詳細案を公表しています。想定工期は15年、来年度中の着工を目指すそうです。

 

ただ、敦賀から小浜方面でなく滋賀県の米原に接続する「米原ルート」への変更を求める声も出ているそうです。変更する利点として「米原ルート」ならば延長区間は約50㎞、想定工期は10年と「小浜・京都ルート」と比べて低コストなことが挙げられています。他に、小浜を経由する理由として原発立地地域の振興を図るためであるとも考えられます。しかし、米原ルートであると新大阪へ向かうためには東海道新幹線への乗換の必要があります。

新幹線の延伸で東京から敦賀までが最短3時間8分で結ばれ、夏季休暇には新幹線を利用して北陸地方へ旅行に行き、「金沢駅前の鼓門や兼六園を見てきた」という友人の話も聞きました。全国への移動時間が一段と短縮された日本の鉄道の発展にこれからも注目していきます。

 

参考文献:

日経電子版 2024年8月20日付 北陸新幹線 利用26%増 JR西、お盆の乗客39.7万人 敦賀延伸が効果、好天の日多く

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82868680Z10C24A8LB0000/

読売新聞オンライン 2024年9月21日付 北陸新幹線 「米原ルート」実現の可能性は?

https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20240920-OYO1T50016/

 

参考資料:

JR西日本ホームページ

https://www.westjr.co.jp/