江戸時代から続く人々の集い 日曜市で感じた高知の魅力とは

先月、インターンで高知県へ行きました。2泊3日の滞在でしたが、最終日に当たる9月15日は観光も楽しめました。初めての高知ということもあり、インターン先でお世話になった方や先生からおすすめを聞き、高知城、日曜市、坂本龍馬記念館へ行きました。

今回は印象的だった日曜市について紹介します。

会場でもらったパンスレットによると、日曜市は追手筋というメインストリートの片側2車線を埋め尽くして開かれています。出店数は約350、市(いち)の長さは約1kmにも及びます。全国には他にも街路市がありますが、終日路上で開かれるものとしては日本一の規模を誇るそうです。

高知では日曜市以外にも火曜市、木曜市、金曜市などが開かれています。それぞれの開催場所は異なりますが、市場がこれほど根付いている土地は珍しく感じます。日曜市ではお店だけでなく、高知城近くの公園でバンド活動をしている人たちが所々で演奏をしており、街全体に音楽が流れていました。多くの酒場が集う「ひろめ市場」にも滞在中に行ったのですが、高知という土地は人々の集いを大事にしている印象を受けました。

その日は雨が降ったり止んだりしていました。時折雨が降っても、傘をさしながら出店を見て回る地元の人、観光客で賑わっています。住所録といって、出店するお店が1丁目から7丁目までに振り分けられていました。お店の前には出店者の氏名などが示された「店舗表示板」があります。パンフレットに書かれている住所録を見ながら、目的地へ進んで行く人の姿も見られました。

筆者は初めてだったので、行先を決めずに歩いてみることにしました。日曜市のスタートとされる高知城の方から歩いていくと、最初は果物や野菜のお店が続いていました。しばらく進むと大平商店のいも天を見つけたので食べることにしました。お店の周辺ではほおばっている人が多かったです。それだけでもPRになるなと感じる光景です。後から聞いた話なのですが、友人の後輩の高知出身者もここのいも天を絶賛しており、「高知に行ったら絶対に食べてほしい」と言うほどだそうです。食品以外にも骨董品や土産物、ガラス細工などさまざまなものを取り扱うお店が集まっています。

 

筆者撮影:日曜市に出店していた大平商店のいも天(2024年9月15日)

 

日曜市自体を高知に行って初めて知ったため、観光案内所の方に詳しいお話を聞きました。江戸時代から続いており、新鮮な野菜や果物が並ぶ日曜市を楽しみにしている人が多くいると聞きました。ここに並ぶ青果物は季節によって変わるそうです。天候によって人通りは変わるが、お正月とよさこい祭りの期間以外は基本的に毎週やっています。おすすめを聞いたのですが、観光協会の方もいも天でした。

インターン滞在中には、高知の観光の目的はほとんどが食というお話も聞きました。週末には日曜市が開催されるということもあったからなのか、ホテルはほとんどが満室で予約が困難でした。高知滞在中に食べた鰹のたたきや鰹の赤ちゃんの「新子」も含めて美味しい食べ物が沢山ありました。

食と同じくらい魅力に感じたのが人です。今回紹介した日曜市を始め、ひろめ市場など人との繋がりを大切にしている文化が根付いているように感じます。コロナ禍では時短営業になりましたが、再び県内外から多くの人が集まっています。他にも、商店街や飲食店で偶然出会った方々が高知についてお話ししてくれました。どこへ行っても温かい人が多かったです。

初めて訪れた土地でしたが、実際に足を運ぶことで感じる魅力や新たな発見が沢山ありました。大学3年生の秋セメスターが始まり、京都での学生生活も残り1年半と、限られた時間であることを実感しています。できるだけ外に出て京都の文化を感じるほか、京都を離れてその土地ならではのことを知りたいと思います。

参考資料

日経新聞デジタル「ひろめ市場20日まで時短延長 高知市内、通常営業店も」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC096H80Z00C21A6000000/

高知市商業振興・外商支援課 「てくてく、お城下市 高知の街路市パンフレット 土佐の日曜市」