10月9日に衆議院が解散され、総選挙が行われることになりました。15日に公示、27日に投開票という日程で、3年ぶりの衆院選です。
今回は、「一票の格差」を是正するため、小選挙区が「10増10減」されてから初めての選挙です。「一票の格差」とは、選挙区の有権者の数が異なることで票の重みが変わってしまうことをいいます。
今回の選挙から東京で5、神奈川で2、埼玉・千葉・愛知でそれぞれ1つ小選挙区が増えます。東京には30もの選挙区があると知り、驚きました。筆者が住む京都の選挙区は6つなので、いかに人口が東京に集中しているかが分かります。一方、宮城・福島・新潟・滋賀・和歌山・岡山・広島・山口・愛媛・長崎の10県で1ずつ減ります。ほかにも、10道府県で小選挙区の区割りが変わります。自分の住まいの選挙区が変わってしまう人も多いかもしれません。
選挙権年齢が18歳に引き下げられてから8年経ちましたが、若者の投票率はどうなっているのでしょう。3年前の衆院選では、10歳代の投票率が43.23%、20歳代が36.50%でした。他の年代と比べると20歳代はワースト、その次に低いのが10歳代となっていて、若者の投票率は低めだと分かります。
下宿している学生の中には、住民票を移していない人もいるでしょう。投票のために帰省するのが面倒だ、大変だという人も多いと思います。
実家暮らしの筆者は、今回初めて「不在者投票」について知りました。これは、投票用紙を自分の登録地から取り寄せ、下宿など滞在先の選挙管理委員会で投票できる仕組みです。例えば自分が名古屋市出身で京都の大学に通っている場合は、名古屋市から取り寄せ、京都市で選挙管理委員会へ行って投票をすることになります。
朝日新聞によれば、2023年の統一地方選では筆者が通う立命館大学で、不在者投票の手続きを支援するサポートブースが開かれたそうです。投票用紙の取り寄せをオンラインでできる市町村もあるといいます。この仕組みを使えば帰省する必要がなく、より少ないコストで投票できそうです。しかし取り寄せなどには時間がかかるため、余裕をもって手続きをしなければならないというデメリットもあります。
来月投開票の米大統領選では郵便投票が行われますが、日本では身体障害がある人、「要介護5」の人などに限定されています。調べてみると、投票のシステムも様々なことが分かります。
今年は世界各国で選挙が行われる「選挙イヤー」。「自分一人くらい行かなくても変わらない」。そう思ってしまいがちで、政治は遠いものに思えます。政治は私たちの生活に直結するもの。不在者投票や期日前投票を有効に使い、私たち若者も政治に参加していきたいものです。
【参考記事】
10日付読売新聞朝刊(大阪13版)18面「今回、『10増10減』反映」
10日付朝日新聞朝刊(大阪14版)1面「石破新政権を問う」
2023年4月19日付朝日新聞朝刊23面「住民票ない下宿生も投票を」
【参考資料】
日本経済新聞電子版「衆院選の仕組み『重複立候補』『10増10減』」