街中で安全検査!? 中国のリアル

先月、大学の友人3人と中国の上海・北京へ観光に行ってきました。筆者にとっては人生初の海外旅行だったので、新鮮なことがたくさんありました。今回は、旅行の中で特に驚いたことを紹介します。

中国での主な移動手段は、タクシーと電車でした。交通費はおろか、小さな出店でも全てキャッシュレス決済に対応していました。3泊4日の旅行で現金を使うことは一度もありませんでした。

中国では、電車に乗る際に検査があります。安全検査、簡単にいうと持ち物チェックです。カバン類はベルトコンベアにのせてX線検査機を通し、人間もゲート状の金属探知機を通る必要があります。

検査は乗車のたびに改札前でするため、正直面倒でした。筆者はスーツケースを持っていたため、より大変です。ただ、現地の中国人は平然と受けており習慣化されていました。日本でも私たちには当たり前になっているものの、海外の方は違和感を抱く制度や慣習があるのかもしれません。

実際のところ検査自体は緩いものです。私も何度か止められましたが、無視を決め込んでいたら諦めたように声をかけてこなくなりました。なにせ、現地の警察を始めとして中国人はほとんど英語が通じません。このため、止められても会話が成立しないためこちらとしても対応できないのです。恐らく筆者の場合は、スーツケース内にヘアスプレーを入れていたため止められたのだと思います。

安全検査について、一緒に旅行に行った金翔煥(キム・サンファン)さん(21)は、「確かに安全ではあるが、それ以上に社会の有り様についても考えさせられた。市民がなにも言わず受け入れているのを見ると、国家権力の強さがひしひしと伝わってきた」との感想でした。

日本人記者の方から話を聞く機会がありました。それによると、中国では政治と生活を完全に切り離されていて、政治に関しては一種の諦めのようなものもあるそうです。ただ国のトップが政策として何かをやると決めれば、その目標に向かっての一体感は目を見張るものがあるといいます。慎重に物事を決める日本とは異なる、中国ならではの長所、魅力といえます。

筆者はこれからも海外旅行を続け、日本で生活するだけでは分からない新しい風を浴び続けていきたいと思います。