視点が変わる平和学習 修学旅行で訪れたけれど、学び直すことの重要性

今月22日から1泊2日の長崎旅行に行ってきました。2022年に開業した西九州新幹線を利用した旅です。九州新幹線と直結していない西九州新幹線。博多から武雄温泉まで特急電車に揺られ、武雄温泉駅の同じホームにある長崎行き新幹線に乗り換える、というのは新鮮な体験でした。

出島や新地中華街など異国情緒あふれる長崎市街を散策し、佐世保市にあるテーマパーク、ハウステンボスを満喫しました。充実した長崎旅行ですが、戦争と平和を再度学ぶために、平和公園と長崎原爆資料館にも足を運びました。せっかく長崎に来たのだからと何気なく訪れたものの、修学旅行当時と異なる視点で展示を見ることができました。

 

◾️小中学校での平和学習

長崎原爆資料館を訪れるのは、小学校の修学旅行以来で2度目となります。九州に住む学生にとってこの場所は、修学旅行や社会科見学で定番の訪問先です。

修学旅行で訪れた当時、暗い館内に佇む、崩壊した教会や焼け爛れた被爆者の体の写真に衝撃を受けたのを覚えています。当時は戦争に対してというよりも、展示に対して恐怖を感じました。

毎年夏になると、戦争を描いた映像を見たり教科書で学んだりしていました。しかし、原爆被害についてのわかりやすい説明や模型などを原爆資料館で見たことが、戦争について本格的に考える初めての機会であったと思います。

 

◾️久しぶりの平和学習

長崎で原爆について学ぶのは、約8年ぶりのことです。修学旅行当時を振り返りながら巡りました。

(22日筆者撮影 平和公園)

印象的だったのは、海外からの観光客と思われる外国人が非常に多かったことです。平和公園でも、原爆資料館でも、英語を使用した観光ガイドを何度も見ました。日本国外にも、戦争と平和を学びたいという思いがあることを実感しました。

修学旅行当時と大きく異なるのは、時間の制限がないという点と、知識が大きく増えたという点です。集合時間や移動時間が決められていないため、当時以上に原爆が投下された1945年8月9日を身に感じることができました。

知識が当時より増えたのは、視点が変化した大きな要因です。日本史や世界史、政治経済の学習の中で、多角的な視点から戦争を学びました。大学生になって国際法や政治を学んでいるため、現在発生している武力紛争の報道に、毎日のように触れています。「戦争はだめだ、平和がいい」と思うだけではなく、起きている武力行使や国際政治との関連性についても考えました。

(22日筆者撮影 長崎原爆資料館)

特に「現在の核兵器に関する情報」という展示では、大学の講義で取り上げられた国際法が列挙されていました。修学旅行では素通りしたに違いない展示に関心を持てたことに、自分の成長も実感しました。

 

一通り戦争と平和を学んだ今だからこそ、以前と異なる視点で平和について考えることができるのではないでしょうか。修学旅行や社会科見学で行ったことがあるからとは思わないで、大人になった今の視点で再度訪れてみると、新たな発見があるかもしれません。

「長崎を最後の被爆地に」

この願いが叶うことを祈るだけではなく、国際法や政治について学び続け、今起こっている悲惨な状況にも目を逸らさずにいたいものです。

 

参考文献:

・JR九州HP https://www.jrkyushu.co.jp/train/nishikyushu/

・長崎市公式観光サイト https://www.at-nagasaki.jp/education/article/learning/peace