自転車屋さん、少なすぎない!? タイヤのパンクから気づいた人手不足の実態

「うちでは無理ですね」

真夏の暑い日、自転車のタイヤがパンクしたので修理を頼みに自転車屋に向かいました。汗は止まることを知らないほどの暑さの中、愛車を押してやっとの思いで辿り着いたものの、修理は断られました。理由は修理の依頼がありすぎるから、とのこと。

仕方がないので、近くの自転車屋を探すと、そこから徒歩20分。「うわ、こんな暑いのにまだ歩かないとならないのか」と思いつつ、自転車が直らないと不便でしかないので、そこからまたひたすら自転車を押し、ようやく修理を引き受けてくれる店に辿り着きました。

 広い店内の中で働いているのはたった2人だけ。手慣れた様子でパンクを直していました。「プロってすごいなぁ」と感心する一方、従業員が2人しかいないことにも少しの違和感を覚えました。パンクなら自らの手で直すことも不可能ではないとは思いますが、やはりプロにお願いする方が確実ですし、修理のついでにメンテナンスをしてもらえることもあります。にもかかわらず、作業していたのは2人だけ。そういえば、修理を断られた一軒目の店は1人で作業していました。

 自転車を乗っている人なら一度はお世話になるだろう、自転車屋。しかし、先に述べた実情もあり、私の地元をみても修理を受け付ける店の数は想像以上に少ないものでした。それも特別なスポーツ用ではなく一般向けの実用車の話です。このままだったら、いずれなくなってしまうだろうな、と感じざるを得ない状況です。

「なぜ人手不足は起こってしまうのか」。自分自身に問いかけてみたときに真っ先にアルバイト先のカフェのことを思い出しました。21時頃にアルバイト先では閉店後の作業と片付けが始まります。ある日、店内のWi-Fiが故障し、レジの閉店作業ができないことがありました。その日、店長は公休でした。しかし、アルバイトだけでは故障を直すことはできないので、店長に電話して指示を仰ぐことに。また別の日には、Uber Eatsの注文を受け付ける機器が故障し、ここでも公休の店長に電話。

そのとき、休みの日でも容赦なくかかってくる電話に私なら耐えられないな、と思った記憶があります。一方で、「こういう休むにもきちんと休めない労働環境だから、人手不足になってしまうんだろうな」とも考えました。

就活を経験したうえで、「やりたいこと」だけではなく、給料やワークライフバランス、労働環境なども進路を決める上で不可欠なポイントだと学びました。人手不足を解消するには、こういった要素をきちんと見直していかなければならないと思います。