小説にも登場!古本まつりで運命の一冊を

みなさんは古本を読むことはありますか。私は今日、ゼミの課題で古本まつりに行ってきました。

下鴨神社は、京都市左京区にある世界文化遺産です。正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)といいます。境内には、「糺の森(ただすのもり)」と呼ばれる原生林があり、縄文時代からの植生を今に残しています。

「下鴨納涼古本まつり」は、糺の森で8月に開かれる夏の風物詩です。私は朝11時ごろに訪れました。老若男女、多くの人が古書を手に取っていました。

下鴨納涼古本まつりの様子(2024年8月13日、筆者撮影)

この古本まつりは森見登美彦さんの小説「夜は短し歩けよ乙女」に登場します。

私は中学生の時この小説を読み、実際に来たことがありました。しかし、大学生になるとまた違う魅力が感じられます。

まず、様々な年代、ジャンルの本がありました。ふつう書店では、本はジャンルごと、著者名ごとに並べられています。しかし、ここではお目当て以外にも色々な本と出合うことができます。哲学に関する新書の隣に歴史小説があったり、雑誌や児童書が売られていたりしました。自分の興味がないジャンルの本とも、今まで読んだことがなかった作者とも、偶然出会うことができます。

私は1000円で、新書4冊を購入しました。状態もとてもきれいで、お得な気分です。

古本を買った店で、店員さんにお話を聞きました。

下鴨古本まつりの魅力を伺うと、「長年にわたって開催されていて、地元の人の恒例になっていること」と教えてくださいました。今年で37回目の開催だそうです。

また、新しい本ではない古本ならではのよさを聞くと、「もう無いものと出会えること」と教えていただきました。昔持っていた本を手放したがもう一度欲しくなった人、子供の頃に欲しかった本を大人になって買う人もいるとのこと。コレクターが、プレミアがついている本を求めて来ることもあるそうです。

さらに、「若い人に紙の本に馴染んでもらいたい。読書離れやデジタル化が進んでいるが、紙の本の文化を継承して、大人になっても本を読んでほしい」と話されていました。

本の手触りやにおいは、紙の本ならではの魅力です。線を引いたり、書き込んだりすれば、より記憶にも残ります。並んでいる本を眺めていると、背表紙や表紙で「ジャケ買い」するなど、デザインも楽しめるでしょう。

デジタル書籍はもちろん便利なものです。しかし、紙にしかない魅力、古本ならではの出会い方があることを再発見しました。

 

皆さんも古本との出会いを楽しんでみませんか。

 

【参考記事】

8月3日付 読売新聞朝刊 (大阪)24面(京都2)「広い野外で古本探そう 下鴨神社で11~16日=京都」

 

【参考文献】

下鴨神社ホームページhttps://www.shimogamo-jinja.or.jp/