豪華絢爛な仙台七夕まつり、伝統と現代が交錯する夏の風物詩

数か月ぶりに訪れた故郷は、豪華絢爛な七夕飾りの数々で彩られていました。

 

8月6日から8日にかけて、「仙台七夕まつり」が開催されました。仙台駅から中央通り、一番町通りのアーケード街にかけて七夕飾りで埋め尽くされ、周辺の地域商店街にも笹飾りが登場します。飾りの内容は当日まで企業秘密であり、まつりが始まると同時に通りが七夕一色に染まる様子は圧巻です。

 

仙台駅構内、8月6日、筆者撮影

 

仙台駅近くのアーケード、8月6日、筆者撮影

 

仙台駅近くのアーケード(夜でも賑わっている)、8月6日、筆者撮影

 

仙台七夕は、藩祖伊達政宗公の時代から続く伝統行事として人々の間に広まっていきました。明治維新の変革や新暦の採用、第一次世界大戦後の不景気により衰退していった時期がありましたが、1927(昭和2年)に商家の有志が華やかな七夕飾りを復活させます。華麗な笹飾りが特徴であり、日本一のスケールを誇る七夕まつりとして、毎年200万人を超える観光客を楽しませています。

 

七夕飾りの制作は、早いところで3月ごろから始まります。くす玉も吹き流しも手作業で飾りつけるなど、一つひとつに作り手の情熱と想いが込められています。今年商店街に登場した大型の七夕飾りは260本あり、それぞれの違いをじっくり見てみるのも良さそうです。

また昔ながらの飾りに加えて、人気アニメとコラボした作品も存在します。今年は、「ハイキュー!!」や「僕のヒーローアカデミア」「ゴールデンカムイ」などとコラボした作品が登場しました。

 

筆者は大学進学を機に上京するまで仙台に住んでいましたが、仙台七夕まつりを見に出掛けたのは久しぶりでした。そのため、人の多さと七夕飾りの数の多さに圧倒されました。

特に記憶に残ったのは、市内の小中学生が負った約7万8千羽の折り鶴の七夕飾りです。仙台市教育委員会の故郷復興プロジェクトの一環として毎年飾られているものです。筆者も小中学生の頃に鶴を折った思い出があり、今年の小中学生に思いを馳せるとともに、時の流れを感じて懐かしさがこみ上げました。

 

また、前夜祭として打ち上げられる仙台七夕花火祭も名物となっています。今年は8月5日に仙台西公園周辺で開催されました。毎年約16,000発の花火が打ち上げられ、仙台の街なかにいながら花火を鑑賞することができます。筆者は打ち上げ場所から約6km離れていましたが、ビルの隙間からでも見ることができました。

 

今年の仙台七夕まつりは終わってしまいますが、来年度以降訪れる機会があれば、七夕まつりに加えて、花火祭など宮城の祭りの魅力をたっぷり堪能してはいかがでしょうか。

通常であれば先が見通せるアーケード。まつりの期間中は七夕飾りでいっぱいになる、8月8日、筆者撮影

 

大人の頭まで届くくらいの長さの七夕飾り、8月8日、筆者撮影

 

青空の下でたなびく七夕飾り、8月8日、筆者撮影

 

まつりの期間が終わると一斉に撤去が始まる、8月8日、筆者撮影

【参考記事】

2024年8月7日 朝日新聞デジタル『仙台七夕まつりはじまる 8日まで、200万人の来場見込み』

【参考資料】

仙台七夕まつり公式リーフレット(2024年度版)

ガイドブック – 仙台七夕まつり

「仙台七夕まつり」を巡る旅  【公式】仙台観光情報サイト – せんだい旅日和

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