関西に住む人なら1度は足を運んだことがあるであろう大阪・梅田。梅田にはJR西日本の大阪駅・北新地駅、阪神電気鉄道(阪神)の大阪梅田駅、阪急電鉄(阪急)の大阪梅田駅、ならびに大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の梅田駅・東梅田駅・西梅田駅があり、多くの鉄道が通っています。特に梅田の地下には誰しもがその広さに驚き、戸惑い、そして迷ったことと思います。
よくショッピングで梅田を利用するという京都女子大学3年の山口優羽(20)さんは、「路線や出口が複数あるため、通い続けていないと道を覚えることが出来ません。GoogleMapを使用しても、階が複数あり立体的なため分かりづらいです」
「梅田ダンジョン」とも呼ばれているほど複雑であることには理由があります。それは、終戦後の「闇市」が関係してきます。
「敗戦後、一面焼け野原の大阪の街で、梅田あたりに闇市が出現し小さな店が軒を連ね、食品など様々なものが並んだ」(朝日新聞,2021)
「戦後、駅前は疎開から戻った人や復員軍人、戦災孤児など生活難にあえぐ人々であふれ返った。米などの配給は遅配に次ぐ遅配。闇市ができるのは必然だった。経済統制下では違法だったとはいえ、ある者は飢えを満たし、ある者は現金収入を得るために、闇市はなくてはならない存在だった」(読売新聞,2021)
闇市が梅田に所狭しと並んでいた名残が、現在の複雑な梅田の構造を生んでいました。つまり、終戦後も今も梅田の大方の造りは変わっていないということです。闇市が並んでいた通りに、そのまんま現在の店が連なっている。そう考えると、終戦直後にタイムスリップしたような感覚に陥ります。
梅田には、第1ビルから第4ビルまでが地下で繋がっている大阪駅前ビルもあります。ここには飲食店は勿論のこと、金券ショップや中古レコード店・古書店・パチンコ店など開業当初から残っている店舗も数多くあります。
私はあと1年足らずで関西を離れてしまいますが、それまでに「梅田ダンジョン」をクリアできるよう全力を尽くしていきます。
参考記事
2021年4月17日付朝日新聞「(声)語りつぐ戦争 一面焼け野原、コメ求めて農家へ 【大阪】」.
2021年9月11日付読売新聞「[マチタビ]大阪駅前ビル界隈 雑多な迷路 物語生む 津村記久子さん43」.