7月25日は最高気温記念日でした。1933年のこの日に山形県山形市で当時の観測史上初となる40.8℃を記録したことにちなんで制定されました。そこで、日本の最高気温と地球温暖化の関係について考えました。
山形市で40.8℃を記録した後、岐阜県、静岡県で40.9℃を記録しています。さらに、高知県、岐阜県で41.0℃、2018年には埼玉県、20年に静岡県で41.1℃を記録しています。
地上気象観測地点は「露場」(ろじょう)と呼ばれ、東京都の露場は14年12月に気象庁本庁の敷地内から千代田区にある北の丸公園に移転されました。露場には積雪計、感雨計、温度計・湿度計、雨量計が設置されています。気象庁ホームページによると、気温は風通しや日当たりの良い場所で地面から約1.5メートルの位置で観測されます。温度に関しては直射日光に当たらないように風通筒の中に格納されているそうです。
小学校で目にすることが多い百葉箱も露場と同じような仕組みになっています。1993年以降は、気象台では百葉箱に代わり強制通風筒が使用されています。大阪メトロの地下のプラットホームにも駅構内の環境を整えるために百葉箱が設置されていました。しかし、74年11月1日から運用された地域気象観測システム(アメダス)などの技術の進歩により百葉箱は徐々に姿を消しています。
年々、気温が上昇するのには地球温暖化が大きく関わっていると考えられており、98年に地球温暖化対策推進法が施行されました。2050年までのカーボンニュートラルの実現を法律に明記し、再生可能エネルギーを活用した脱炭素社会の促進を図るものです。また、21年には地球温暖化対策計画が閣議決定され、30年度に温室効果ガス46%削減を目指し、さらに50%削減に向けての挑戦を表明しています。
地球温暖化の主な要因として温室効果ガスの排出が挙げられ、具体的には二酸化炭素やフロンガスなどがあります。世界の気温が上昇するのと合わせて日本でも年々気温が上昇し、100年ほどで1.35℃も上昇しているといいます。持続可能な開発目標の13番目にも「気候変動に具体的な対策を」と掲げられています。
このうちフロンは、エアコンや冷蔵庫などの身近なものに使用されていましたが、89年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が発効し、段階的削減が進められてきました。放出されたフロンが化学反応によりオゾン層を破壊してしまうことが分かったからです。国際規制の効果もあり、南極上空のオゾン層は、2066年頃までに1980年代の水準に回復すると予測されています。二酸化炭素も同じように国際協力で成果をあげなければなりません。
レジ袋を買わずにマイバックを利用する、車ではなくバスや電車を利用するなど私たちができる地球温暖化対策は多くあります。身近な手立てを講じながら、これからの気象の変化に注目していきます。
参考文献:
読売新聞オンライン 2023年 1月15日付 南極のオゾン層「2066年ごろ回復」…1989年発効のフロン国際規制が効果
https://www.yomiuri.co.jp/science/20230115-OYT1T50016/
朝日新聞デジタル 2024年 6月6日付 今後5年以内に一時的な「1.5℃の上昇」か 世界の年間平均気温
https://www.asahi.com/articles/ASS652FXJS65ULBH00HM.html
参考資料:
環境省ホームページ
https://www.env.go.jp/
気象庁ホームページ
https://www.jma.go.jp/jma/index.html
外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/