京都の夏の風物詩、祇園祭。現在、その真っ只中です。7月1から31日までの1ヶ月間、様々な祭事が繰り広げられます。
祇園祭が始まったのは平安時代のこと。都の安寧を脅かす疫病の退散を願う祭儀に由来すると言います。そして、室町時代に現在のような姿に整えられていきました。
神事始めを意味する、1日の吉符入りからスタートします。10日頃から、前祭りの鉾建が始まり、京都市内には様々な種類の鉾が並びます。前祭の宵山が始まると、山鉾のちょうちんに灯りがともり、なんとも風情のある光景が広がるのです。
前祭の山鉾、保守山(7月13日筆者撮影)
各山鉾では、病気除けとされる「ちまき」や、学問成就などそれぞれ特徴を持つお守りを手に入れることも出来ます。筆者が見かけた保守山(ほうしょうやま)は、縁結びが特徴でした。
その後、祇園祭のメインともいえる山鉾巡行となります。計23基の山鉾が街を練ります。稚児による「注連縄しめなわ切り」や、山鉾が方向を変える「辻回し」など様々な見所を楽しめます。そして、祇園祭は後祭と呼ばれる後半戦に。
一般的に露店が並ぶのは、前祭の宵々山、宵山の時期。歩行者天国も整備され多くの人が訪れます。一方、後祭の宵山では出店が規制されます。祭そのものの情緒を満喫できることでしょう。
いよいよ先祭りも後半戦に突入です。今年から初めて人流測定センサーのデータに基づいて警備するといいます。雑踏事故を防止する狙いもあるそうです。安全な状況が確保できることを望みます。
1ヶ月もの時間をかける祇園祭。伝統と風情を感じる夏の風物詩が成功することを願うばかりです。
参考記事:
13日付 朝日新聞朝刊(京都)13面「錦市場「左側通行」呼びかけ 人流測定データ活用し警備」
参考資料;
京都文化博物館パンフレット「祇園祭―山鉾巡行の歴史と文化―」