減らす果物ロス 栄養価の高い食材で夏を乗り切る

先日、バナナを一房腐らせてしまいました。

近隣のスーパーで一房150円程度で買ったものでした。

7月に入り、夏の暑さが本格化しています。ニュース番組では熱中症対策がよびかけられています。苦い経験から、我々の体調と同様、生きていくために欠かせない食料にも対策が必要だと身をもって感じています。

 

朝日新聞の記事では、果物ロスを減らすため、企業が新しい商品を開発、販売していることが紹介されていました。

形や見た目が悪くてそのままでは売れない規格外の果物が使われた商品があります。セブン&アイ・ホールディングスは、プライベートブランド「セブンプレミアム」から、規格外のバナナを使ったアイスを販売しています。

 

キリンビールは5月、期間限定で缶チューハイ「氷結 mottainai 浜なし」を販売していました。廃棄される予定だった横浜のブランド梨「浜なし」の規格外品を使うことで、約2万2千個分のロス削減を目指しているのです。同社は「おいしさと社会貢献を両立した」と述べており、今後も様々な規格外果物を使った「氷結」を開発し、全国の農家を支援していくそうです。

このように、企業が果物ロスを削減する取り組みを積極的に進めています。

 

家庭から出る食品ロスの原因は、調理しないまま捨ててしまう「手つかずの食品」と「食べ残し」があると指摘されています。手つかずの食品のうち、半数を占めたのが野菜と果物です。

 

では食品ロス、果物ロスを減らすために、家庭ではどのようなことができるでしょうか。京都市内にある果物店で、家庭でのフルーツの保存方法について教えてもらいました。

筆者が腐らせてしまったバナナは、買ったままの袋に入れて、さらに3重、4重に袋を重ね、冷蔵庫の野菜室に入れて保存すると日持ちするそうです。リンゴ、オレンジもビニール袋に入れ、口を輪ゴムで縛り、冷蔵庫保存するのがお薦めとのことです。夏が旬のスイカは、あまり日持ちしないため、買ったら1日から2日で食べ切らなければなりません。

取材した個人経営の果物店では、果物ロスを出さないよう、保存方法や入荷数に気をつけていました。良い状態で売るために、お店の奥の冷蔵庫で保管していたのですが、それだと通りかかった人から果物が見えないため、買ってくれる人は少なくなるそうです。しかし、夏の暑い時期に店先に並べておくと商品が傷んでしまうのでそれもできないと言っていました。

 

一人暮らしをしている人や、日々忙しい人ではコンビニやスーパーなどで売っている調理された食品に頼ったり、外食したりする人も多いと思います。

ファストフードや朝食用シリアル、大量生産されたパンやデザート、ソーセージなど、包装されてスーパーに陳列される多くの食品は超加工食品と言われています。これらは工場で生産されているため、家庭で調理する時よりも多量の脂肪分、糖分、塩分が含まれています。依存性が高いことが指摘され、日常的に摂取していると、超加工食品を渇望するようになり、「強迫的消費」を引き起こすようになる人もいます。

 

栄養価の高い食事を摂ろうと思い自炊しようとしても、買ってきた食材が短期間で使えなくなることもあるかと思います。特に夏場は食材が傷みやすく、長期間の保存ができないことが悩みとして挙げられます。

今回紹介したように、一手間加えて保存すると鮮度やおいしさを保つことができます。野菜や果物の保存方法を工夫して食品ロスを減らしながら、健康的な食事を心がけて夏を乗り切っていきましょう。

 

 

参考記事:

6月26日付 日本経済新聞電子版 「『超加工食品』、たばこ並み依存性か 渇望や禁断症状も」

5日付 朝日新聞朝刊(大阪13版)7面(経済)「果物ロス おいしい解消法」

5日付 朝日新聞朝刊(大阪13版)18面(くらし)「家庭の食品ロス 適切保存で無駄減らそう」