多摩都市モノレールの町田方面へ延伸 暮らしやすいまちづくりへ

今年3月、東京都町田市と多摩市は「多摩都市モノレール」が町田方面に延伸することを想定した「モノレール沿線まちづくり構想」を発表しました。開業に向けての課題の洗い出しや沿線の活性化策などの検討が進められています。

多摩都市モノレールは東京都東大和市の上北台駅から多摩市の多摩センター駅(約16㎞)を結ぶ路線です。1998年11月に上北台駅から立川北駅が先行開業され、2000年1月に多摩センター駅まで延伸されました。多摩モノレール公式サイトによると、2000年度の多摩センター駅の1日の乗降客数が約2万5千人だったのに対し、22年度は3万3千人を越えています。この22年間で8千人近く増えていることから、沿線地区の人口増加に伴い多くの人々が通勤や通学などに利用していることが分かります。

多摩都市モノレール(6月1日、筆者撮影)

多摩センター駅から町田駅方面への延伸構想は都が19年から検討を始め、約16㎞のルート案を21年に選定しました。導入空間となる道路の整備については都と町田市が協力し、車両や配電設備などについては都などが出資する第三セクターである多摩都市モノレール株式会社が担当する予定です。

町田駅までの延伸が実現すると、現在はJR横浜線の橋本駅や小田急小田原線の新百合ケ丘駅を経由しないと行けなかった京王多摩センターから町田までのアクセスが向上します。多摩都市モノレールの沿線には中央大や明星大、帝京大などがあり、通学の時間が短縮されそうです。

一方、延伸区間である町田市が発表している将来人口推計では、25年ごろまでに人口増加のピークが訪れ、その後は減少が予想されています。今後若年層の割合が下がり、高齢化が予想される同市の状況を考慮して、延伸にかかるコストや駅の設置場所などには慎重な議論が必要だと思います。

多摩センター駅の先で途切れているレール(6月1日、筆者撮影)

多摩都市モノレールには町田方面への延伸計画以外にも上北台駅から瑞穂町の箱根ヶ崎への延伸計画(約7㎞)もあります。新青梅街道では道路の拡大工事が進んでおり、工事期間は約10年、35年頃の開業になるそうです。

終点の多摩センター駅の先でレールは途切れていましたが、地域の動きから計画が実現に近づいていることを実感します。今後の地域の発展に注目していきます。

 

参考文献:

2023年12月19日付 日本経済新聞 多摩モノレール町田延伸、東京都が事業化検討開始へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC159FX0V11C23A2000000/

 

参考資料:

多摩モノレール公式

https://www.tama-monorail.co.jp/

モノレール沿線まちづくり構想 多摩市・町田市 2024年3月

https://www.city.tama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/298/honpen.pdf