鳴り響く警報音。朝、緊急地震速報で目が覚めた。
3日朝、石川県で最大震度5強を観測する地震が起きました。筆者が暮らす京都では、ほとんど揺れは感じられませんでしたが、携帯から鳴る警報音に身構えました。急いでテレビを付けて状況を確認し、能登半島を震源とする地震が起きたことを知りました。
金沢大の平松良浩教授は、今回の地震は1月の能登半島地震の震源から余震も含めた一連の震源域の端に位置すると分析しました。また、数年にわたって今回と同程度の余震が起こり得るといいます。これまでの地震によってダメージを受けている建物もあることから、揺れから身を守ることを一層心がけてほしいと呼びかけていました。
能登半島地震から5ヶ月。まだまだ、心休まらない状況は続きます。
復興の歩みを進める被災地ですが、新たな課題に直面しているのです。仮設住宅の設置や2次避難が見受けられる一方、「見えない避難者」の実態が明らかになっています。行政の目が届きにくい人々をどう支援するのか、2日付の朝日新聞は問いかけています。
仮設住宅に移れず車庫で生活をする人、インフラが不十分な環境で在宅避難を続ける人。「見えない避難者」の実態は様々です。大阪公立大の菅野拓教授は、高齢化が進んだ地域であることやライフラインが寸断されたことから、過去の災害と比べて避難環境が厳しいといいます。高齢の方が多いこともあり、支える側が増えないことも大きな課題であるというのです。
また、仮設住宅に入居し、2次避難をしたからといって安心は出来ません。特に、高齢の方々にとって支援の目が行き届かない暮らしは、心身に大きな負担を強いることになります。新たな被災者支援の在り方が問われているといえるでしょう。
こういった状況に、輪島市では、巡回要員を大幅に増やすなど見守りを強化しているそうです。今後、どういった取り組みをしていくかがよりいっそう重要になります。
余震の心配に浮かび上がる被災地の課題。能登半島の人々がおかれている状況は非常に過酷です。地震大国である日本に生きる私たちが、向き合わなければいけない現状。復興に向け、何ができるのか。能登の方々と一緒に考えていかなければなりません。
参考記事:
2日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)1面「能登 見えない避難者」
2日付 朝日新聞朝刊(大阪13版)29面「他に行き場なく 在宅避難」
読売新聞デジタル「関東・近畿でも緊急地震速報、当初の推定は「富山湾でM7・4」…複数の地震発生が影響か」