家庭訪問といえば、普段は学校でしか会えない担任の先生が家に来てくれるという、小学生からすれば1大イベントでした。「いつ先生が家に来るんだろう」というドキドキ感、「先生と親がどんな話をするんだろう」という期待感でいっぱいだった記憶があります。
ところが今、新しい家庭訪問のタイプがあることを、本日の記事が伝えています。教員のOBや地域の民生児童委員の人たちが子育て中の家庭に訪問し、相談を受けるという教育支援が広がっているそうです。地域のつながりがどんどん薄くなっていく中で、保護者の方々が誰にも悩みを相談できずに苦しんでいるケースが増えています。不登校やいじめなどの問題を早期に発見し、解決につなげていくことが期待されています。
実際に支援を受けている主婦の方は「どこに言っていいのかわからないような悩みも聞いてもらって本当に助かる」と話すように、相談相手が来てくれることが1番の支えになっているといえます。
文科省の調べによると、このようなタイプの家庭教育支援チームは昨年度で290チームもありました。今年3月にはノウハウをまとめた手引きを作って全国の自治体に配布するなど、さらなる広がりも期待されています。
児童、生徒、学生 の自殺者数は平成26年で866人。平成23年の1026人をピークに年々減ってきてはいるものの、決して見過ごせない数字です。そして小中学生では家庭や学校生活が動機になっていることが多いとされています。その点でも、さまざまな面からの子育て支援こそ早急に取り組むべき課題かと思われます。子どもの教育方法を相談したり、見直したりする意味でも、保護者への「家庭訪問」が有効な対策として広がっていくことを期待します。
参考記事:
10日付: 読売新聞 14版 朝刊 15面「家庭訪問で子育て支援」