祭で地域交流 京都で文子祭

雨が降ろうと関係ない。男たちには、天候をものともしないほどの情熱がありました。

“米原市宇賀野の坂田神明宮で29日、江戸時代の大名行列を再現した「蹴り奴(やっこ)振り」があり、菅笠(すげがさ)に紺色の法被姿の奴衆が、「イーハーヨイヤセー」のかけ声に合わせて地元を練り歩いた。(中略) 奴衆は、かけ声を上げながら片方の足を後ろに大きく蹴り上げる独特の歩き方で、子ども神輿(みこし)などとともに、同宮の境内と、市内の宇賀野神社とを約2時間かけて往復。沿道では、熱心にカメラに収める観客の姿も見られた(読売新聞,2024)”

全国各地で、祭が開催される時期になりました。私も先月21日に京都で催された文子祭(あやこまつり)に、アルバイトの身分ですが参加してきました。

文子祭は、平安時代中期の巫女である多治比文子(たじひのあやこ)にちなむものです。文子は、菅原道真をまつるよう神託を受けます。文子は貧しい身ですが、紆余曲折ありながらも多くの人の協力を得て北野天満宮を建てたといいます。文子天満宮御旅所から北野天満宮境内にある文子天満宮まで、約2時間半かけて神輿を移動させます。両地点は直線距離で約1km、徒歩15分程度ですが周辺の道をゆっくりと練り歩きます。雨にも関わらず多くの方が見守り、応援や声かけもしてくれました。神輿を通して、幸せを振りまくことが出来ました。

神輿は1.5トンもあるらしく、屈強な男たち30人ほどで運びました。

私は、神輿の前方8mほどで鉾を持ち巡行しました。これまで祭などの伝統行事に参加したことなどありませんでしたが、想像以上に熱気にあふれていて時間を経るごとに集団の絆が深まったような気がします。

神輿を引っ張った京都大学の髙澤馨(たかざわ・けい)(20)さんは活動を振り返り、祭が地域交流に貢献していることに気付いたといいます。

「近所付き合いが少ない現代で、巡行を通して地域の人との交流が出来ました。また、アルバイトの中には留学生もおり文化を継承しようという地域の人々のひたむきな姿勢を感じました」

今回は全部で4大学25人程の学生が集まりました。ただ、雨天でタイムスケジュールが大幅に遅れ最終的には予定よりも1時間半ほど延びました。何とか時間を短縮しようと努力してこの遅れならやむを得ませんが、時間が押しているのにも関わらず指示役の方が一服していた時は少し疑問を抱きました。残業代は、ありません。金銭の問題ではないですが、アルバイトとして学生を雇うことへの配慮が足りていなかったと感じてしまいました。

文子祭を運営してくださる「西之京瑞饋神輿保存会(にしのきょうずいきみこしほぞんかい)」には、来年以降の改善点として気に留めて頂けたら、より充実した祭になるかと思い一言加えました。

参考記事
2024年4月30日付 読売新聞「大名行列 かけ声合わせ 米原=滋賀」.