薬物乱用 なぜだめか

「いろんな本を読んで覚醒剤の怖さを勉強した。一生闘い続けたい」

27日、覚醒剤取締法違反で逮捕された元プロ野球選手、清原和博被告の初公判がありました。当人は覚醒剤の使用を認め、更生する意志を示しました。

筆者は野球に詳しくありません。お恥ずかしいことに、野球の大スターだった「清原」のことも、彼が逮捕されて初めて名前を目にしました。その逮捕が社会に及ぼす影響については、野球ファンの方による過去の投稿をご覧いただければと思います。スポーツそのものに明るくない立場から、もう少し一般的な視点からこの件について考えてみることにします。

 

有名人の薬物乱用が発覚すると、必ず述べられるのが「法を守れ」ということです。人前に立つ立場なのだから、人並み以上の法令遵守意識を持つべきだ、と。もちろん正しい主張です。しかし、強調すべきはそれだけでしょうか。これでは、単に「違法だから、だめ」という理解を導きかねないように思います。

有名人でも一般人でも、薬物乱用の問題点は根本的には同じはずです。学校などで習う危険性は、次の三つです。

・強い依存性があり、一度乱用するとなかなかやめられないこと

・薬物を手に入れるために他の犯罪行為に手を染める可能性があること

・幻覚症状などにより、他者に危害を加える危険があること

http://www.hokenkai.or.jp/3/3-4/index1.htmlより)

さらに、この三点では触れられていなかった重要な問題があります。たいていの場合、薬物の売買で得られた利益が反社会的組織の資金になってしまうことです。薬物乱用は、そういった組織を支援してしまうのです。

残念ながら、この問題について言及している記事はあまり目にしません。この初公判の記事でも、清原被告がこの点を理解し、反省しているかを読み取ることはできませんでした。そもそも、この問題を認識している人自体が少ないのではないでしょうか。

ファンへの礼儀、有名人としての自覚。それらももちろん大切ですが、薬物乱用の危険性やその社会的影響など、もっと根本的なことも理解してもらい、心から反省していただきたい。そして、無事に更生し、薬物乱用の危険性について自ら発信してもらいたいと思います。

 

参考記事:

18日付 各紙朝刊 清原被告初公判 関連面