東京の浅草や京都の嵐山などでよくみられる人力車。昔ながらの乗り物で風情があり、外国人観光客にも人気です。そんな人力車のサークルが、同志社大学にあります。
「人力俥友之会(じんりきしゃとものかい)」です。しかしこのサークルは、順風満帆な活動を続けてきたわけではありません。
「2020年、コロナ禍でピンチに陥った。大学祭も、これまで続けていたイベントも次々と中止に。人力車の魅力を伝える場がなくなり、会員が激減した。23年春、最後に残った3人が卒業して会員がゼロとなり、ついに「廃会」となった」(朝日新聞,2023)
そんな中、立ち上がったのが現在の代表、田村優介さん(22)です。田村さんを初めとした10名を超える部員の努力で、今年の11月末に開催された同志社大学の学園祭で人力車を走らせることができました。
私も初めて人力車に乗りましたが、安定感抜群で貴族のような気分を味わうことが出来ました。
田村さんに、人力車に関するお話を聞きました。
――普段はどのような活動をされていますか。
「年に3,4回、地域の祭りやイベントに参加して人力車をひいています。来年の春休みかGWにツール・ドを再開させたいとも考えております」
――ツール・ドとは?
「日本全国、人力車をひいて旅をするというものです。時には人力車をフェリーに乗せて海を渡ることもあります。コロナ禍以前は、活発に行っていましたが現在は出来ていません。是非とも、来年こそは人力俥友之会の名誉にかけて実施したいです」
――今後の展望は?
「まずは、人員を確保して活動を再び軌道に乗せていけたらと思っています。学内外を問わず活動の幅を広げていき、この先50年は続けて、人力俥友之会の歴史を1世紀に到達させていけたらと思います」
田村さんの人力車に対する愛が溢れると共に、再び廃会させてはならないという強い意志が垣間見えました。日本の伝統文化である人力車を、大学キャンパスにも残してほしいと願うばかりです。
参考記事
2023年11月1日付 朝日新聞 「人力の輪、つながった 同志社大の伝統サークル、コロナ「廃会」から復活」.