海の向こうへと渡った「元楽天のエース対決」、初の投げ合いが実現しました。
現地時間17日、米大リーグのヤンキース対マリナーズ戦がヤンキースタジアムで行われ、ヤンキースは田中将大投手、マリナーズは岩隈久志投手が先発しました。日本人投手同士の投げ合いです。しかも両投手は2011年まで楽天で共にプレーし、東日本大震災を経験しています。
対戦前日、田中投手と岩隈投手は「お互いがチームのその日の責任を背負えるような、それくらい長い回数を投げ合おう」と話したといいます。その言葉通り、両投手は7回まで投げ切りました。田中投手が6安打3失点で、日本人対決で今季初勝利をあげています。敗れた岩隈投手は8安打4失点、今季2敗目になりました。同じくマリナーズで、宮崎県出身の青木宣親選手は、田中投手から5回第3打席に三塁打を放ちました。
14日から続く熊本を中心とする地震について、田中投手は「物資が届かないとか困っていることも多いだろう。何か力になれる形を見つけて、力になりたいと思っている」とコメントしました。また。岩隈投手は「僕らができることのひとつは、野球を全力でプレーする。たくさんの元気や勇気を届けることができればいい」と語りました。
楽天で東日本大震災を経験し、アメリカで活躍する両投手。それぞれのチームでの役割を果たそうとしています。そんな彼らの活躍が、九州や東北の被災地へ元気を与えることでしょう。私たちも、被災地のために、今すぐ何かできなくても、いつも通りを元気に生活する。そして、被災地のことを思い、募金などで支えられたらいいのではないでしょうか。岩隈投手の「野球を全力でプレーする」という言葉から、そんなことを考えさせられました。
参考記事:
19日付 読売新聞朝刊(東京13版)「元楽天対決 田中制す」27面(スポーツ)
18日付 読売新聞夕刊(東京3版)「田中 岩隈に投げ勝つ」3面
18日付 朝日新聞夕刊(東京3版)「田中、岩隈に投げ勝つ」11面(スポーツ)