幼い頃には、だれもが1度は回した経験がある「カプセルトイ」。呼び名は、ガチャガチャやガチャポン、ガシャポンとさまざまです。ちなみに、ガチャはタカラトミーアーツが、ガシャポンはバンダイが商標登録しているそうです。筆者は最近、姉の影響を受け、このカプセルトイにはまっています。待ち合わせなど空いた時間には、デパートのゲームセンターにあるブースに。専門店が近くにあると、ついつい足を運んでしまうほどです。ですが、そこで見る光景は、幼いころのこどものたまり場ではなく、20代から30代と大人も集まる場所へと様変わりしています。アナログなものが廃れていきデジタル社会が進むなかで、どうして生き延びることができているのか。再び人気となっているカプセルトイの今を見ていきたいと思います。
カプセルトイは、20年間で市場規模が約1.7倍となり2002年では260億円だったものが21年には450億円になっています。また、ダイヤモンド・オンラインの記事によると今年の売り上げは好調で、21年を上回る約720億円規模になる見通しです。
それでは、この規模拡大の背景は一体何でしょうか。まずはコロナ禍の影響です。以前も海外旅行客向けのお土産として人気となっていることは知っていましたが、コロナ禍で閉店や撤退が相次ぎ、商業施設には多くのスペースが生まれたことで新たな展開が生まれました。空きスペースを使い、専門店として運営するケースが増えたといいます。店舗の増加を受けて、コロナ禍で人との接触をさけたい人が訪れる場所となったことも大きいといいます。
これに加えて、商品の幅の広さも人気になった要因だと筆者は考えます。カプセルトイと聞くとアニメとコラボしたものを想像するひとが多いのではないしょうか。私も勧められる前まではこういった商品が多い印象を持っていました。ですが、最近は、お菓子のパッケージやアクリル絵の具の柄をしたポーチなどと今までとは様変わりした商品が多く、実用性があるのも人気を支えているようです。こういった商品は企業側にも大きな宣伝効果があるといい、市場拡大の要因になっていると考えています。
また、目新しさでいうとこんなカプセルトイもあります。本日の読売新聞で紹介されていた「手紙ガチャ」です。見ず知らずの人が書いた色々な内容の手紙を読むことができるというもので、手紙を書きたいけど相手がいないことから始まった企画だといいます。若い世代からも人気があるそうで、多くの人が訪れているといいます。ガチャの中身の手紙を自身で書くこともできるということで、手紙の魅力の再発見に繋がると読んでいて思いました。
こどもから大人まで楽しめるカプセルトイ。これからもどんなものと掛け合わせて新しいものが生まれるのか一ファンとしては楽しみです。
参考記事
9日付 読売新聞朝刊(12版)17面(くらし) 「『手紙ガチャ』で誰かと」
参考資料