暑すぎるのは気のせいじゃなかった

「最も暑かった7月」。本日付の朝日新聞の一面には、字面を目にしただけでウンザリしてしまう見出しがデカデカと載っていました。7月の平均気温は25.96度。日本の観測史上で、最も高いのだとか。原因は、地球温暖化と太平洋高気圧の勢力が強まったこと。暑すぎると薄々体で感じていたけれど、数字で裏打ちされてしまって複雑な気持ちです。

気温が上がったことは、身近な生物にも影響しています。たとえば、蚊です。昨年8月のウェザーニュースのアンケート調査「今年の蚊、どうだった?」によると、回答者の74%は「いつもより少なかった」と答えました。蚊は25〜30度で活動が活発になるそうで、昨年は「猛暑日」の多さが影響した可能性があるのだとか。今年は昨年よりもさらに暑いとなると、蚊をあまり見られないかもしれません。

気温上昇の大きな原因の一つ、地球温暖化。未来の地球はどうなるかと思うと、怖い気持ちもあります。でも、振り返ってみると、結局人間のせいだといえるのかもしれません。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、自然を「生命」と「環境」の二つに分けて定義します。基本的には、環境が生命を変えるもの。しかし、環境を大きく変えてきた生命こそが、人間だというのです。

世界には、温暖化の影響を深刻に受けている国があります。たとえば、昨年6月以降のモンスーンの影響で、国土の3分の1が水没してしまったパキスタンです。今年8月1、2日のフジテレビの「めざまし8」では、特集「忘れられた被災地」として、現地での取材の結果が報じられました。いまも水は引き切らず、洪水のために仕事や食を失いながら苦労して生活されている方々がいます。その番組を見て、私は改めて日々の生活を反省し、地球環境への危機感を覚えました。

自らが変えてきた環境の影響に私たちはいま怯えています。だからこそいま、実際に何が起こっているのか知らなければいけません。自分の利益を捨てて、地球の未来を日常的に考えながら行動することは難しいでしょう。実際、エアコンも車もないといまの生活は困難になるからです。しかし、学ぶ時間を与えられているいま、自分の専門分野についてだけでなくて、環境問題などについても本質をきちんと学ぶことが重要なはずです。