本日からゴールデンウイーク(GW)に入り、最大9連休となる方もいるのではないでしょうか。筆者の大学では、GW中でも平日は講義があるため学生としての役目を優先します。
今の時期、気になるのが物価高騰の波です。先日、値上がりラッシュがGW中の予定に影響を与えるという回答が6割以上のぼるというニュースを目にしました。コロナの感染がおさまりつつあるなか、期待の大型連休に需要が冷え込むようでは元も子もありません。企業はさまざまな対応に迫られています。ここでは物価の優等生とされてきた卵について考えます。
飼料価格の急騰に高病原性鳥インフルエンザによる大量の殺処分が加わり、価格の高騰と品不足が続いています。先日、公表された価格は、1年前より6割も高い1キロ350円。料理の万能選手である卵を買おうとスーパーマーケットに行っても、高値を前にして購入をためらってしまいがちです。
本日付の日経新聞朝刊では、GW中のお土産市場に悪影響を及ぼしていると報じられました。例えば、北海道で人気の「白い恋人」です。先月、北海道を訪れた筆者も購入しました。ここにきて、メーカーの石屋製菓は、生産量を半減すると発表しました。高い需要が見込める商品をここまで減産するというのは苦渋の決断です。加えて、26日付の朝日新聞夕刊では、佐賀県鳥栖市の「かしわめし」に使用する錦糸卵で、卵をバターコーンに代えて販売していることも紹介されました。はからずもアレルギーの方々などに、喜ばれているそうですが。
旅行はそれ自体で楽しいものですが、お土産を通してさらに楽しくなります。関係者が工夫を凝らすことで、卵不足を乗り越えてほしいものです。
政府も、鳥インフルエンザ問題へ動きだしました。農水省は養鶏業者に対して、農場内の鶏舎ごとに衛生管理を行う「分割管理」の導入を進めるマニュアルを今秋までに公表する方針だと発表しました。
こうしたなか明るいニュースも報じられました。26日付の日経電子版で、卵アレルギーがあっても、食べることのできる卵を広島大学とキユーピーが開発していることが報じられました。卵の卵白に含まれる「オボムコイド」という物質は加熱処理してもアレルギーを引き起こす残す性質がありますが、遺伝子編集技術を活用しこれを除くことに成功したとのことです。これが実用化されれば、鳥栖名物の「かしわめし」が以前のように錦糸卵を使うようになっても、アレルギーの方も心配なく食べられるかもしれません。卵ではありませんが、筆者も食物アレルギーをもっています。アレルギーの研究は難しいと聞いていたので、このニュースには嬉しくなりました。
値上がりが収まり、身近な食材に戻った卵が、より安全な形で提供されるようになる日を待ち望んでいます。
参考記事
29日付日経新聞朝刊(12版)7面(総合)GW土産需要 卵不足が直撃
26日付朝日新聞夕刊(4版)9面(社会)錦糸卵使えなくてもこーんなにおいしく
26日付読売新聞朝刊(13版)28面(社会)養鶏場「分割管理」手引 卵の安定供給図る
26日付日経電子版アレルギー物質減らした卵 広島大学とキユーピー開発
参考資料
ABEMATIMES:今年のGW「物価高が予定に影響」6割超予算平均は3万9294円で去年から約1万円増
画像引用元 日経新聞 トピック「卵不足」