【政治】「野田佳彦元内閣総理大臣、新入生に語る」に参加して…

4月24日に早稲田大学のサークル鵬志会主催の「野田佳彦元内閣総理大臣、新入生に語る」が東京・高田馬場で開かれ、筆者も参加してきました。

野田さんは立憲民主党の最高顧問であり、第95代内閣総理大臣も務めた超大物議員です。日本の政治の中心で移り変わりを見てきた野田さんだからこそ興味深いお話を聞くことができると期待して足を運びました。

まずは政治の道を目指した理由について。元々は政治家を目指していたわけではありませんでした。小説「青春の門」を読んで政治について興味を抱き、「ペンを通じて政治を正したい」と思うようになったそうです。そこで政治記者を目指します。当時尊敬していたジャーナリストは、今は亡き立花隆さんだそうです。実は筆者も立花さんの著書を読み、文系から理系の幅広い分野まで執筆する「知の巨人」の豊富な知識量と一般の人にも分かりやすく伝えようとする姿勢をとても尊敬していました。そのため、野田さんを少し身近に感じました。

最終的に新聞と放送それぞれで最難関とされるメディア2社から内定をもらったそうです。それにもかかわらず、松下政経塾に第1期生として入塾したのは、すでに政治的な野心があったからなのかもしれません。たしかに政界に入る端緒になりました。

苦労話もうかがいました。29歳の時無所属で県議選に立候補することを決め、船橋市の人に語りかけようと初めての講演会を開いたものの聴衆は1人だけ。政界や官界、経済界などへのつながりがないのでは、人を集めるのは容易ではありません。このままではいけないと思いを巡らせた結果、船橋駅などで街頭演説を始めることにしました。

朝から晩まで、どんな悪天候でも立ち続けることで耳を傾けてくれてくれる人が現れてきました。これは現在まで37年間続けているそうです。また、20万円で選挙カーを購入したもののすぐ壊れてしまったので、選挙ではマイクを持って歩き回ったそうです。このおかげで有権者に寄り添っていることをアピールできたかもしれません。

首相まで上り詰めた一人の政治家の話を聞いて、候補者たちがどれだけ熱意を込めて政治に挑戦しているのかが、少し分かりました。選挙カーや駅頭で演説する候補者を統一地方選挙の際に多く見かけました。様々な背景を持って政治家を志しているのでしょう。

演説姿を見かけても耳を傾けることはなく、せいぜいビラを受け取るだけでした。野田さんの話を聞いて、候補者の思いを生の声で聞くチャンスを逃してはならないと考え直しました。そうすることで自分が住む社会の未来について考えることができ、将来を託せる代表を選べるはずですから。