先日、コロナワクチン接種会場でのアルバイトを始めた。接種に来た人たちの受付や誘導などの業務を行う。初めからわかりきっていたことだが、来るのはほとんどが高齢者で、若者の姿は1日に数人しか見かけない。
現在、新型コロナウイルスの感染者数は再び増加しており、この傾向はしばらく続くという。
11月10日付の朝日新聞の記事では、新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長がワクチンの接種率を高めるために単にワクチンを打つように促すのではなく、「もう少しみんなが興味を持てるような物語性のようなキャンペーンを」してもらえるよう、首相に伝えたことが掲載されていた。
若者の接種が進まないなか、ストーリー仕立てにしてワクチン接種を推奨したところで、接種率を高めることにつながることはないと思う。筆者自身、3回目の接種を受けたが、海外旅行からの帰国時にスムーズに日本に帰国できるようにするためである。特に理由がなければ、急いで受ける必要もないかなと考えていた。友人たちの中には、3回目はわざわざ打たなくてもいいと思っている人や、一度も打っていない人も少なくない。
若者の接種率を高めたいのならば、物語性のようなぼんやりしたものではなく、具体的なメリットを示さなければならないと感じる。自分自身は接種を受ける必要がない、行くのが面倒だと感じている人にはおそらく響かない。
筆者のバイト先の市町村では、希望する接種者に1000円分のタクシーチケットが配られていた。高齢者に会場まで来てもらいやすくするためという目的だと思う。若者に対しても、接種を受ければ、クーポンを配布するなどの接種に行くきっかけを作る必要があると思う。働いている若者世代からすれば、接種の副反応で仕事を休まなければいけなくなったり、休日が潰れてしまったりとワクチンによるデメリットも考えられる。接種を進めたいのなら、このような若い世代が感じている懸念を解消できるような支援を行なうことも必要ではないだろうか。
参考記事:
11月10日付朝日新聞デジタル「若者のワクチン接種、どうすれば進む?尾身会長が首相にアイデア披露」
https://digital.asahi.com/articles/ASQCB6T7SQCBULFA02J.html?iref=pc_ss_date_article
11月16日付読売新聞オンライン「コロナ感染拡大「第8波に入った」…日本医師会常任理事「若年層のワクチン接種重要」
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20221116-OYT1T50190/