昨日の投稿、タイトルは「ブラック企業排除?」です。ご覧になられていない方がいましたら、一読お願いします。ページ下部の「前の記事へ」から本文を読むことができます。かいつまんで説明すると、今年3月から過酷な勤務条件を強いる「ブラック企業」の求人が、ハローワークから姿を消すという内容です。勤務時間や待遇に関して、行政から何度も是正勧告を受けた企業などの求人が対象となります。「ブラック企業」排除に一役買うのでは、というものでした。
それに関連して、さあ本題。労働市場は人手不足が深刻なようです。今朝の日経新聞、小さな見出しにはインパクトがありました。
「企業の人手不足 101万人で最多 昨年6月時点」
企業が「人手が欲しい」と求人を出すも、働いてくれる人が足りない。その数100万人。昨年より19万人増え、2004年以降で最も多くなりました。業種別に見ると、宿泊・飲食サービス業が最多の20万人。外国人旅行者の急増が主要因に挙げられます。次いで卸売・小売業(19,5万人)、医療・福祉(11,6万人)と続きます。
「ブラック企業」の求人は消えるも、企業は人手不足─。ここから何が導けるか。キーポイントとなるセンテンスを昨日の投稿から2つほど引用します。
「行政より是正勧告を度々受けたり、書類送検されたりした企業からの新卒求人をこの3月から全国のハローワークが受け付けなくなります」
「あくまでハローワークでの話であって民間の求人サービスは含まれません」
ハローワークから姿を消すのは「行政からの是正勧告を受けた」または「(過酷な勤務体制により)書類送検された」企業の求人です。裏返せば、それ以外に顕在化した問題のない「ブラック企業」は対象ではないのです。加えて、民間の求人サービスは対象外です。あくまで、ハローワークでの話なのです。
人手不足を解消するため、求人内容を改善する。給与体系や福利厚生も見直し、働いてもらえるよう魅力度を高める。規制によってそういった企業が増えればいいのですが、楽観はできません。制度の裏をぬった求人が横行する可能性もあります。なぜなら、企業の人手不足は過去最悪なためです。杞憂に終わればいいのですが、3月からの労働市場に注目します。
参考記事:
22日付 日本経済新聞朝刊(大阪14版)経済面「企業の人手不足 101万人で最多」