次世代を担うデビットカード

「現金ないから、クレジットで。」「割り勘分のお金がぴったりないから、まとめてクレジットで払っとくわ。」

こんなやり取りを、大学生になってから耳にすることが多くなりました。

簡単に言うと、クレジットカードを使うか使わないかは、今払うか、後で払うか、どちらかという話。結局、払う額は変わりません。しかし、決済は翌月に行われるため、お金を使ったという感覚を失いがちです。その感覚をなくしたまま使っていると、恐ろしい額が来月の自分の首を絞めることにも繋がりかねません。知らないうちに、引き落とし額が膨れ上がっているなんてことも。毎月のクレカ決済に震えている人も多いのではないでしょうか。

そんな人たちにおすすめしたいのが、デビットカードです。デビットとは、買い物をしたときに指定の銀行口座から即時に引き落とされる決済手段。原則、預金口座の残高内であれば利用でき、使いすぎもある程度は抑制できます。

デビットはクレカと違い、審査が不要で、現金を持たずに高額決済もできるところが魅力です。基本クレカと同じ端末で決済するため、使える店も多いのです。また、デビットは18歳未満でも持つことができるため、年齢制限でクレカをつくれない高校生のキャッシュレスニーズにも応えています。

キャッシュレス決済は広がるものの、クレカの新規発行は伸び悩んでいる一方、世間では、即時払いの安心感からデビットが注目を集めています。三井住友、みずほ、りそなの3大手行の2021年度の新規発行は計140万枚規模と、クレカを逆転。また、日銀の統計によると、21年度のデビットカードの決済額は2兆8336億円で、3年前の倍に増えています。

デビットを新たな収益源と踏む銀行側も、様々な試みを重ねています。みずほ銀行は7月中旬以降、デビット機能とキャッシュカードが1枚になった一体型カードの取り扱いを始めます。決済アプリ「みずほウォレット」に登録すれば、スマートフォンを決済端末にタッチするだけでデビット決済できる機能も追加され、利便性がぐっと高まります。

つい使い過ぎてしまったなんてことが起こりやすいクレジットカードとは裏腹に、通帳の残高と相談しながら決済できる、デビットカード。筆者のような、常に金欠な学生の、お金の使い方を見直す機会にもなりそうです。

 

(参考記事)日本経済新聞 7日付 デビットカード、新たな収益源 銀行でクレカ逆転