5月5日は、こどもの日。両親や祖母からお小遣いがもらえると、楽しみにしていたのは遥か昔。現在は21歳と、すっかり大人になってしまったと思いながら記事を執筆しています。
新聞各社の紙面にも、子供に関する様々な記事や社説が掲載されていました。いじめや貧困、少子高齢化に受験と、多くの問題が溢れているようです。ただでさえ、新型コロナウイルスで社会が急激に変わっていく中で育っていく子どもは大変です。
大学生活も終わりに差し掛かっている筆者自身も、思い返せば小中高校と色々な悩みや不安を抱えていました。友人関係がうまくいかなかったり、部活動で結果が出なかったり、成績や将来のことを思い悩む時もあったと思います。
中でも、一番戸惑ったのが高校生になってからでした。入学してすぐ、大学受験のことを突きつけられたかと思えば、焦らされるように大量の課題を出され、目的もわからないままそれをこなさなければいけませんでした。部活動の練習も忙しく、将来のことなど考える余裕もない日々です。必死に毎日を過ごしていくと、そのうち進路や将来のことについて決断しなければならない時期がやってきました。文理どちらのコースにするか、大学は、学部はどこを志望するのか。1日1日に必死だった自分は、とても困惑していた記憶があります。
将来やりたいことがわからない、何に興味があるのかわからない。自分自身や周りの友人がそうだったように、このように感じている子どもは多いのではないでしょうか。色々な理由はあると思いますが、原因の1つは忙しすぎることだと思います。
部活に課題、それに加えて塾に行くなど、日々過ごす世界が学校と家の往復になりがちです。学生のうちから自分の属する集団が固定されすぎてしまうことは、世界を狭めてしまいます。また、そのコミュニティの考え方や価値観に捉われてしまう危険もあります。特に子どもは関わる大人が親や学校の先生ばかりであることが多いのではないでしょうか。
自分の将来や進路について考えるためには、もっと多くの人と関わったり、違うコミュニティに参加したりする機会を増やすことが重要だと思います。私自身、受験期に「みんなで頑張ろう」、「とにかく勉強」という学校の空気に嫌気がさし、よく馴染みの本屋へ、店主と話をしに通っていました。店主だけでなく、そこにお客としてやってくるたくさんの大人たちの話は高校生の自分にとって刺激的で、学校で教えられるものとは違う世界に触れるきっかけとなりました。何気ない悩みや不安に思っていることを相談できる相手も見つかるかもしれません。
違う世界に飛び込む機会や時間を作るのは、子どもだけでは難しいです。親や学校の先生、地域の人々など様々な大人の協力が必要です。勉強や部活動に打ち込むことも重要ですが、それに加えて自分の将来を考えたり、興味関心を広げるための時間も必要です。そのような余裕のある、子どもがのびのびと育っていける環境を生み出し、守っていける社会にしていくことが大切になっていくのではないでしょうか。
参考記事:
5月5日付読売新聞オンライン「こどもの日 不安のサイン見逃さぬよう」
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20220504-OYT1T50135/