今日24日の東京の新規感染者数は8,875人。
週末には減るが、平日になればまた戻る。グラフはまるで連なる山のようである。徐々に下がってきてはいるものの、高止まり状態が続いている。
去年の11月から12月にかけては感染が抑えられていた。夏から始まった最初のワクチンの接種率は、65歳以上で92.5%、そして若年層でも優に7割は超えているといった状態であった。これに対して、国が推し進めている3回目は65歳以上が77.9%と現時点でそれなりに高いが、若者世代はというと2割程度といった具合である。やはり、今の4桁をなかなか脱しない高止まり傾向の原因は、この3回目ワクチンにあるのだろう。
筆者は2月の終わりに既に接種を終わらせたが、周りにはまだ打っていない友人が多い。3回目を打つには、前回から少なくとも6か月が経過していないといけない。現在の接種率が芳しくないからなのか、事前予約なしでも接種可能の会場も設置され、国や自治体の意欲が感じられる。
世間ではしばしば若者のワクチン接種率が上がらないと言われる。確かに、知り合いの中にも「1,2回目の副反応が辛かったからもう打ちたくない」、「オミクロンは軽いらしいから平気」という人がいる。しかし、6か月という条件を考えると、接種率が上がらないのはコロナ軽視だけではない。もし9月半ばに2回目を終えたなら、3回目接種は早くて3月半ば。ちょうど今ごろである。4月になればキャンパスに学生が戻る。2年もの間、コロナによってほとんどがオンラインを強いられていた弊学も、春からは対面となる。このまま以前のような学生生活が始まれば、キャンパス内での感染の可能性は高まるだろう。入学から今までコロナがなかなか終息せず、「このまま社会人になってしまうのか」と半ば諦めだったため、対面授業が増えるのは嬉しいけれど、うつるかもとヒヤヒヤはしたくない。個人的には授業が始まったなかで、何日かの副反応が見込まれるワクチンをどれほどの学生が打つのか、少し疑問が残るが、今後の流れに期待したい。
3回目ワクチンの開始から早々に、5月の4回目接種に向けて準備が進められている。特に若者は打ちたくてもまだ半年が経っておらず、打てないという人が周りには多い。接種率が上がらないままに、次のワクチンを急ぐという状況が今後も続くなら、「〇回目」というよりも、それぞれの都合に合わせて定期的に打ちに行くということになるかもしれない。
しかしながら、短い間隔で接種を繰り返すのは免疫に負荷をかける恐れがあるという指摘が欧州医薬品庁(EMA)からされている。これとは別に、ワクチンデマがあるのも事実。これから、ワクチン接種を勧めたいなら、デマを否定するだけではなく、EMAの警告のようにリスクも周知した上で、ワクチンの有効性を説明し曖昧な理解ではなく、しっかりとした理解のもと、この政策を推進する必要があるだろう。
参考資料:
2022年3月11日 朝日新聞デジタル「東京都が「予約なし接種」を開始へ コロナワクチン、3会場で」
東京都福祉保健局、「ワクチン接種実績」
2022年1月12日 日本経済新聞 「EU、頻繁な追加接種に懸念 免疫低下の恐れも」
厚生労働省、「新型コロナワクチンQ&A これは本当ですか?」
参考記事:
24日付日本経済新聞夕刊(東京3版)1面「4回目接種を議論」