本日の日本経済新聞朝刊に興味深い記事を見つけました。女性面に掲載された「生理用品『白色』以外はNG? フェムテック市場拡大に法の壁」です。同性としてチェックしなければならない話題だと感じたので、本日のあらたにすではフェムテックをめぐる現状と課題について取り上げます。
まずタイトルにも入っているフェムテック(Femtech)という単語。聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。調べてみると「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語で、女性のカラダなどの悩みをテクノロジーで解決する製品やサービスを指しているそうです。
経済産業省によると、フェムテック製品・サービスは大きく分けて「専門家相談/サポート」「健康管理/トラッキング」「簡単検査キット」「医療支援」「その他」の5つに分類することができます。代表的なフェムテック製品と言えば、生理日予測をはじめとする、避妊や妊娠、妊活をサポートする健康管理アプリ「ルナルナ」が挙げられます。世代を超えて多くの女性が利用しており、1700万ダウンロードを突破。筆者も高校生の頃からお世話になっています。卵巣年齢を自宅で簡単にセルフチェックできる検査キット「F check」は「簡単検査キット」に該当。他の3つの分類にも多くの製品やサービスがあります。
日経の記事では吸水ショーツが紹介されていました。吸水ショーツとは、経血を吸水する機能が付いたナプキン一体型の製品のこと。洗濯して何度も繰り返して利用できるサステナブルな生理用品として注目されています。筆者も去年あたりからお店で見かけたり、動画サイトでレビュー動画があがったりしているのを知っていました。
しかし普及には課題が。規制の壁があるそうです。
日本では生理用品を製造販売する事業者は、改正医薬品医療機器法(薬機法)や厚生労働省が定める「生理処理用品製造販売承認基準」に基づき、都道府県か厚労省から承認を得る必要がある。ところが基準をみると、生理用品は「白色」「においがほとんどなく、異物を含まない」との記載がある。 (中略) フェムテック商品のオンラインストアを運営するフェルマータ(東京・品川)の杉本亜美奈最高経営責任者(CEO)は「基準で言う生理用品とは、要するに紙ナプキンを意味している」と説明する。そのため吸水ショーツのような新たな商品は承認を受けられず「生理用品であるということを明確に言えない点が、普及の壁になっている
日経の記事はそう指摘しています。筆者は「白色」「無臭」といった条件を満たさなかったことで、フェムテック商品を人々に知ってもらえないのは残念だと感じました。
冒頭で紹介した経済産業省の報告書によると、2025年時点のフェムテックによる経済効果は年間で約2兆円と推計されています。女性の社会進出が進み、健康課題が仕事と密接に関わる時代。少しでも女性が暮らしやすい世の中になるよう早急な法整備を望みます。
参考記事:
10月18日日本経済新聞朝刊女性面「生理用品「白色」以外はNG? フェムテック市場拡大に法の壁」
参考資料:
日立コンサルティング「女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」とは ―日本経済に与える影響と期待される未来―」
経済産業省「働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本経済に与える効果と課題に関する調査 報告書 (概要版)」