読売新聞は5日夕刊から妖怪ウォッチのキャラクターが日替わりで登場する新企画をスタートさせます。朝日新聞はドラえもん、読売新聞の朝刊はポケモン。新聞に親しんでもらおうと、国民的に人気なキャラクターとコラボをしています。この流れから妖怪ウォッチも国民的なキャラクターと言われるようになっていると改めて実感しました。
『妖怪ウォッチ』はもともとゲームソフト。それが2014年に入ってテレビアニメ化されると一気にブレークしました。
子どもたちの共感”を最重要項目に設定
妖怪ウォッチのヒットを紹介する新聞記事の見出しです。どうして日本人の心にとまったのか。たしかに主人公も極めて平均的です。特徴的なのは、現代の子どもが抱える悩みや特有の「あるあるネタ」をアニメの中に取り込んでいること。アンケートや聞き取りによって日本の子どもをウォッチしたのです。そのため多くの共感をつかむことができたのでしょう。
先日、ドイツ人の友人が日本にきました。あまり日本のアニメには詳しくないようです。「あのネコ、何だろう。どんなキャラクター?」原宿で買い物をしていた時に妖怪ウォッチのぬいぐるみを見て聞かれました。公式HPを見ながら説明しました。日常にあふれるあらゆることをどうして妖怪の仕業にするか理解できない様子。しかし、そこに可笑しさや珍しさを感じたようです。
新たな市場確保のため、どの産業も海外進出が議論になっています。一社で展開していくことは、非効率的とされます。だからこそ妖怪ウォッチのゲーム制作をしているレベルファイブ(福岡市)が電通と共同出資で北米に挑戦するのは当然なのでしょう。日本のアニメを世界に発信し、コンテンツビジネスをこれからの重要産業へと成長させるチャンスです。
ユニークで可愛らしい妖怪キャラクターがたくさんいるので、海外のファンがキャラクターのメダルをこぞって収集するようになればグッズ販売には大いに期待できるでしょう。妖怪ウォッチが日本の国民的アニメへとのし上がったヒットの裏側には共感がありました。かわいらしさやグッズ集だけが受け入れられるのではなく、ストーリーも楽しんでもらえるとうれしいですね。両社のノウハウを結集し、北米市場で成功することに期待します。
参考記事:
2日付 読売新聞朝刊8面(東京13版)
2日付 日本経済新聞朝刊13面(東京12版)
2014年11月20日 日本経済新聞 デジタル ヒットのひみつ