今月28日、東京や大阪などの9都道府県に発令している緊急事態宣言について、政府は来月20日までの延期を決定した。酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請や大型商業施設への時短営業の要請も継続される。
この一年余り、度重なる「時短営業」に飲食店は翻弄されてきた。そこで今回は京都の観光地・祇園で鉄板居酒屋を営むMさんに緊急事態宣言の再延期、飲食店の現状について話を伺った。
――緊急事態宣言再延期についてのご意見をお聞かせください。
うちのような小さい個人店は、協力金で何とかなるので「差し支えない」です。なので、6月20日までの延長に合わせて、店も休業する予定です。休業協力金がいただけるのであれば、休業して、感染拡大防止に協力しようかと思っています。
――休業協力金はいくら支給されるのですか。
日額4万円。定休日以外の日に支給されます。仮に月に25日営業しているとすると月額100万円支給されます。協力金はお店を維持するために役立っています。
――協力金の支給が遅れているとの報道もあります。実際はどうですか。
協力金の申請は締め切りまでには必ずしているけど、大体、支給は2ヶ月遅れですね。まぁ、協力金をいただけるだけありがたい。うちのような飲食店に卸している業者さんの方が協力金ももえなくて、よっぽど苦しいと思う。
――ここ最近の祇園の様子について。
祇園はまさに「死に体」。観光客は来ない、夜の店は空いてない。昼も夜も「ゴーストタウン」になっている。
休業中のため包装されたままの放置されているパーテーション。(31日、筆者撮影)
――緊急事態宣言が再度延期されるなど政府の「場当たり的」とも見える対応が目立ちます。政府の対応について何かご意見はありますか。
今まで経験したことがないことやからしょうがないと思う。けど、次の同じような有事が起こった際には迅速に対応できるような法整備をしてほしい。
――政府の対応に点数をつけるとしたら何点ですか。
0点でしょ。だから、コロナ禍を踏まえて、今回のような有事でもすぐに対応できるような法整備をしてほしい。
――最後に、飲食店のオーナーとして何か言いたことはありますか。
うちはインバウンドがターゲットの店やから、いまさら日本人相手の店にシフトを変えるのも難しい。なので、ただただ海外からの旅行客が戻ってきて欲しい。
参考記事:
29日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)1面「緊急事態宣言 来月20日まで」