シェアサイクルが放置自転車を減らす

最近ハマっていることがあります。電動アシスト自転車を借りて、サイクリングをすることです。アシスト自転車を持っていませんが、近所にシェアサイクルのポートが設置され、気軽に借りられるようになりました。

ドコモバイクシェア、HELLO CYCLING(ハローサイクリング)、PiPPA(ピッパ)、COGICOGI(コギコギ)などなど。レンタサイクル事業は急拡大しています。私はHELLO CYCLINGを頻繁に使っています。

▲近所のステーション。2021年2月14日筆者撮影。

 

スマートフォンのアプリで登録を済ませると、すぐに乗ることができます。アプリの地図からステーションを選んで「予約」をすると暗証番号が発行されます。自転車に付けられたモニターにその数字を入力すれば、ロックが自動解除されレンタルできる仕組みです。料金は15分70円、12時間まで1000円です。

大きな特徴は、どこのステーションに返してもいいところです。地図上で返却したいステーションを予約し、たどり着いたら「RETURN」のボタンを押せば完了です。今年2月現在で、東京を中心に3384か所のステーションがあるそうです。見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

JR中央線沿いの駅近くで借り、京王線沿いの駅まで30分ほど走って乗り捨て。友人とランチすることもあります。時間はかかりますが、値段は電車賃と同じくらい。最近は天気がいいので、快適です。

買い物やお出かけ以外にも利用法は広がっています。飲食宅配代行サービスの「ウーバーイーツ」で配達に利用している姿を見たことがあります。使い方は人それぞれのようです。ステーションは、さまざまな場所に設けられています。駅近くの駐輪場内、コンビニエンスストアの前、薬局前、マンションの横などです。

もう一つ、効用を見つけました。駅前のコンビニに設置すれば、放置自転車を防ぐことができるのではないでしょうか。私の最寄駅のコンビニには、いつも30台ほどの自転車がとめられています。ここ数年、駅周辺に駐輪場が増えたとはいえ、その数は減っていないようです。店の横をバスが通るため、安全面でも問題があるように感じます。

そもそも放置自転車なのか。店長さんに話を聞いてみました。「放置自転車ですね。安全を第一に考えていて、なかなか取り締まることが難しいのが現状です。逆恨みされることも考えられますし…。シェアサイクルのポートの申請は出しているのですが、順番待ちです」と困っている様子でした。導入すれば、お店の人も、その地域に住む人も安心して暮らせるようになると思います。自転車をとめる場所があらかじめ用意されているのであれば、おのずから放置自転車も減るはずですから。

利用者はこれから増えていくでしょう。友人は、旅先で利用することもあると言っていました。環境に優しく、また健康のためにも使ってみる価値はあります。地方にどこまで広がるか、安全面での課題はないのか、これからも注目していきたいテーマです。

参考記事:

3月31日付「10分以上の徒歩が疲れる人へ――外出先の面倒な移動を「たった70円」で解決する方法があった

3月22日から26日付日本経済新聞「ストーリー 疾走チャリノミクス」

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本日をもって、あらたにすを卒業します。

取材に協力していただいた皆さま、記事を楽しみにしている読者の皆さま、有難うございました。心より感謝申し上げます。

私は明日から記者の道に進みます。あらたにすで培った経験を胸に、突き進んでいきたいと思います。