たくさんの子どもたちに教育を―Education First.

One child, one teacher, one pen and one book can change the world. Education is the only solution. Education First.

昨年ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんが2013年に国連で行った演説の一説です。子どもに教育を受ける権利を主張する彼女が、12日レバノンのシリア国境に近いベカー高原にシリア難民のための女子校を開校しました。

まずはマララ・ユスフザイさんについて紹介しましょう。

1997年パキスタンに生まれ、女子学校を経営する両親のもとで育ち、学校へ通っていました。パキスタン・タリバーン運動が、女性が教育を受けることを否定すると、彼女は女性への教育の必要性や平和を訴える活動をしていました。しかし2012年、中学校からの帰宅中、複数の男に銃撃され頭部と首に銃弾を受けてしまいます。イスラマバード近郊の病院で治療を受けた後、イギリスの病院へ移送され、奇跡的に回復しました。

 

その後も子どもが教育を受ける権利を訴える活動を続け、ノーベル賞平和賞を受賞したのです。今回開校された学校は女子教育を支援するNGOが資金を拠出しました。マララさんはこの基金の共同設立者で、ノーベル賞の賞金を提供すると表明していました。

イスラム過激派「パキスタン・タリバーン運動」やナイジェリアの過激派「ボコ・ハラム」など教育を脅かす組織が増えています。子どもたちが自由に学ぶためにはどうしたらよいのでしょうか。まず外にいる人が現状を知ることが重要だと思います。特に日本ではあまり知られていないことが多く、正直私自身もしっかり理解しているとは言えません。だからこそメディアに伝えてもらうことが必要です。活動をしているマララさんにスポットを当てることは一つの方法です。

 

また、台頭する過激派組織を抑えることは難しいとしても、そこから距離を置いたところで教育の機会を与えることはできると思います。この女子学校も、シリア国外に逃れた難民のための学校です。まずは知ること。そして教育の受けられる場所を増やすための支援をすること。“Education First”を実現するために大切なことではないでしょうか。

 

参考記事

14日付 朝日新聞朝刊(東京13版)10(国際)「マララさん女子校開設」

同日付  読売新聞朝刊(東京13版)2面(総合)「『マララ女学校』開校」