新型コロナウイルスの感染拡大が続き、間も無く半年が過ぎようとしている。私たちの生活は激変し、学生をめぐる環境は大きく変わってしまった。
筆者は大学4年生にも関わらず、今年になって3年間通いつめた大学のキャンパスには未だ一度も足を踏み入れていない。学生生活最後の年にこのような状況になるとは思っていなかった。オンラインでの授業はメリット・デメリットをそれぞれ感じることは多いがすっかり慣れてきており、秋学期もおそらく一部授業を除きオンライン授業での開講になるという。手軽に濃密な授業を「家」で受けることができるなんて数年前の自分に見当がつかない。
来年から社会人になるということで、コロナ禍で「働く」ということはどうなるのかと考えることが多い。昨今をめぐる「働く」という環境はリモートワークやテレワークなどを切り替えている会社も多い。更に、学生をめぐる環境も変わっており周囲の友人に話を聞くと就職活動や内定者研修がオンラインになっていることをよく耳にする。今年の春社会人1年目を迎えた20卒の先輩に話を聞いてみると「コロナ入社はゆとりっぽいね(笑)」といく先々で言われることもあるという。例年に比べて入社後対面での研修や懇親会が無かった分、オンラインでの新人研修が続いたのちの出社。横のつながりどころか、会食に人数制限をつけている会社も多く縦のつながりも構築できてないという。さらに話を聞くと、先輩の大学同期に未だに出社をしたことがなかったり、入社が遅れている人もいるという。先行きが見えない中、誰にも予想することができない非常事態に見舞われているのだと感じる。第二波が来るかもしれないこの時勢に、脳裏に不安がよぎる。10月に差し迫った内定式は開催できるのだろうか。本当に自分は入社できるのであろうか。そんな会話を友人同士ですることが増えつつある。
そんな中コロナ禍での人間関係は大きく変化したと思う。いつでも人に当たり前のように会えた日常は消えた。感染と隣り合わせにある可能性に晒されている私たちは、一つ一つの行動に責任をもたなければならない。大切な人を危険から守るためにも。
そんな対策をするために登場したのが「オンライン」制度。オンラインでのワークや授業、セミナーは手軽にいつでも場所を問わず受講することができるので大変便利だ。しかし、その中で初対面の人と関係性を構築するのは難しいと感じる。ディスカッションやコミュニケーションを行わなければならない時、心のどこかでオフラインだったら…と思う。他に何かいい方法はないのか…と思いつつ早半年。『百聞は一見に如かず』というように、感染予防を徹底しつつ必要に応じて対面(オフライン)で会うことの重要性があるのではないでしょうか。技術の発達だけでは人の心満たすことは難しい。だからこそ人との関係性や繋がりを良い意味で見つめ直すことができている。オンライン上でも他者との心の距離感を掴む方法が生まれて欲しい。
【参考文献】
・内定後もオンライン コロナ影響…企業が懇親会や研修
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20200827-OYT1T50175/