当たり前が当たり前ではない日々

新型コロナウイルスが依然として猛威を振るい続けています。日本のみならず、世界の各国で都市封鎖、医療崩壊、物資不足、長期の外出自粛…など、コロナ禍の影響で社会不安が広がってきています。そのような中私の学校でも先週からオンライン授業が始まりました。オンライン授業は生徒だけではなく教授も初めての経験なのでうまくいかないこともありましたが、双方徐々に慣れてきました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

緊急事態宣言が発令されてから約一ヶ月。学校に行けない、人に会えない、外食できない…など、今まで私たちが当たり前のように過ごしてきた生活はできなくなりました。私も初めは友達に会いたい、美味しいご飯を外で食べたいなどと、コロナ前の生活に切実に戻りたいと願うこともありました。しかし、元に戻りたいと考える一方で、今の生活に慣れ親しんでいることも確かです。その中で、新たなライフスタイルとして溶け込んで欲しいという点もあることに気づきました。

それは、

・オンライン上の集まりの機会を増やす

・就職活動の完全オンライン化

の二点です。オンラインの活用は先ほど述べたオンライン授業はもちろんのこと、オンライン飲み会、サークルの会議やバイト先の研修など今まで長い時間とお金をかけてきた「移動」に消耗されなくなった点です。もちろん、対面でしかわからない空気感や意思の伝達はあると思います。それでも今はオンラインで成り立っているのだから、アフターコロナには必要最低限の場合以外はオンラインで済ませるなどの風潮が残って欲しいと思います。

次に、就職活動の完全オンライン化です。現状だと書類審査はオンラインで済ませて、面接から対面でやる企業がほとんどです。この状況の中で大変困るのが、地方に就職を考えている学生たちです。地方企業を受けている友人に詳しく話を聞くと、「今まで面接を受けるために莫大な交通費がかかっていたけど、オンライン面接だと何より交通費がかからない。家で面接ができるのは本当に便利。ストレスが半減された。」と言っていました。しかしオンラインならではの壁もあり、インターネットの接続が悪くて面接が強制終了や中断されてしまうケースもあるそうです。ネット周辺の環境整備は徹底する必要はありますが、就活生の苦しみが少しでも軽減する手段だと思います。

他にも、今まで長年働き方改革を進めてきた日本ですが、コロナの影響で一気に進歩したと捉えても過言ではないと感じます。人々の働き方は、テレワークや時差出勤など「オンライン上での働き方」へ大きく変化しました。企業差もあると思いますが何年も呼びかけてきて進歩が見られなかったことが、ここ数ヶ月で変わったのです。緊急事態だからこそ現場が対応しなければならないという義務感から、物事が運ぶことがあるのかもしれません。

ここ昨今の報道は、コロナの直近の危機を伝えているものばかりのように感じます。もちろん、問題意識の共有は何より必要だと思いますが、それだけではなく、この嵐が過ぎ去った時どのように生きていくことが適しているかを一人一人が考させるような内容を伝えるべきではないでしょうか。

コロナ収束後は確実に新しい生活様式の元で誰もが生きることになると思います。新しい価値観が創造されようとしている今、皆が取り巻く状況をポジティブに少しでも捉えられるような日がいち早くきて欲しいと願っています。

【参考】

朝日新聞5月5日(火)朝刊紙面