昨日に引き続き、新型コロナウイルスに関する話題です。集団感染が止まらない大型クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号。これまで、症状のない人にはウイルス検査をしないとしていました。ですが、全員に検査を受けさせる方針に転じ、検査で陰性となれば健康観察期間が終了する19日以降に下船ができることになりました。船内は密室で、テレビや新聞では毎日のように乗客、乗員の過酷な生活ぶりが報じられています。報道を見る度、気の毒だと思わざるを得ませんでした。
一方、カンボジアに停泊したウエステルダム号では下船が始まりましたが、その後マレーシアへ移動した乗客の中から新たな感染者が出てしまっています。感染者が乗船している可能性が疑われ、日本は入港を拒否した船です。カンボジアで迎えられた当初は、船を降りることができてよかったという歓迎ムードでしたが、今や乗客たちがウイルスを世界へまき散らすのではと恐れられ始めています。
こうしたことを踏まえたうえで、日本政府の下船を認める決断について考えます。国内では、一度目のウイルス検査で陰性でもその後に陽性反応がでるケースが報告されています。感染経路がわからない事例もあり、陰性の人々をただ船から開放するのではなく、その後どう扱うのかを考える必要があります。別の施設に隔離するのか、全員を受け入れられるのかなど問題は山積みです。人権を守ることと国内の感染拡大を防ぐことの両立は限界に来ています。
先日、常備薬をもらうためにかかりつけの病院に行くと、「新型コロナの対策のため、発熱のある人は別の入り口から入ってください」と書かれた張り紙を見かけました。その病院でコロナ対策を聞いて見ると、手洗いとうがい、外へ出る時は手袋をすることに尽きると言われました。外へ出るとつり革やドアノブなどどうしても不特定多数の人が触った人に触れるためです。
もう国内に新型コロナウイルスが溢れていることは確かです。自分で自分の身は守るしかありません。
参考記事:
今日付 朝日新聞朝刊14版 (1面) (総合)「クルーズ船、全員検査へ 感染なければ19日以降下船 新型肺炎」
読売新聞オンライン 「マレーシア、米女性の感染確認…香港発クルーズ船の乗客か」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200216-OYT1T50000/