介護職は「底辺」なのか

介護業界での人手不足が年々深刻化しています。訪問介護の有効求人倍率(パート含む)は16年度の9.3倍から、18年度は13.1倍に上昇しています。そして、3Kと呼ばれるように、「汚い、キツい、給料が安い」というイメージが浸透しています。このようなマイナスイメージは、日本国内で常識化しているように感じます。

すべての団塊世代が後期高齢者になる2025年問題。国民の4人に1人が75歳以上になり、多くの高齢者を少ない現役世代が支えていかなければなりません。そんな世の中があと5年も経てば到来します。それと共に増加が予想される健康問題。もはや他人事ではなく、国民1人1人が考えるべきだと思います。

そして、現状と矛盾する「人生100年時代」という言葉も登場しました。とある研究では、2007年に日本で生まれた子どもの半数が、107歳より長く生きるのではないかという結果が出ました。よって、従来とは異なる新しい人生設計の必要性が高まっています。

「介護職なんて底辺仕事だ」「勉強をしてこなかった人がする仕事」

これらは実際に聞いた言葉です。介護職に対する偏見。低賃金、長時間労働などが社会問題になっていますが、それらの要因が揃えば底辺なのか。そもそも仕事に上も下もあるのかと、色んな疑問が浮かんできます。私はこのような仕事に対する差別的発言が許せません。もし、自分の両親が認知症を患って、介護するとなったらどうするのか。自分が介護される身になったら・・・。食事や洗面、排泄まで面倒を見るのは大変なことです。自分の力で出来るかどうかさえ想像もつきません。

給料と労働条件が良ければ、立派で尊敬される仕事なのでしょうか。長生きが主流になっていく時代で、自分の人生のみならず仕事に対する価値観も、大きく変わってくると思います。なので、特定の仕事に対して偏見を持ち、勝手にランク付けをして見下すようなことは今すぐ止めるべきです。

参考記事:

13日付 朝日新聞朝刊13版23面「不安定な収入 「まるで日雇い」」