スポーツ観戦を「体験」する

現在、東京の国立競技場では陸上の世界選手権が行われ続いています。しかし、この大会を東京で開催するうえでまでには紆余曲折がありました。14日の朝日新聞2面では、世界陸上の招致をめぐる関係者の知られざる奮闘や、開催にこぎつけるまでの険しい道のりが報じられていました。

この東京招致は2021年に始まりましたが、当初は莫大な開催費用が課題でした。コロナ過禍での五輪開催で大規模国際大会に対す向けられる社会の視線目は厳しくなり、さまざまな批判を受けます。当時の日本陸連の尾県会長 は「スポーツは不要不急だと言われた。こんなに軽いものだったのか」と振り返ります。

私自身、小学校時代に柔道、中学校では野球部員としてスポーツに取り組んできました。引退して以後も、野球だけでなくサッカーや陸上を観戦することは好きで、今回の世界陸上の東京開催はとても嬉しく思います。

私は、2023年のWBC決勝を近くの街のパブリックビューイングで観戦しました。日本代表戦ということもあって、多く参加者は応援しているチームや選手のユニフォームを着ており、その選手が活躍すると選手のユニフォームを着たファンが称えられました。選手だけでなく、観戦する我々にも団結一体感が生まれます。

趣味は人生に彩りをつけるためには必要です。コロナ過禍では、夏の甲子園をはじめ、様々な大会が延期や中止になりました。そんな中でも運営側は、落ち込んだ我々を元気づけようと、あらゆる方法でを試みしました。静寂の中で行われるの野球は何とも言えない不思議な感覚です。そんな中、各テレビ局は静かな環境だからこそ聞こえる「選手の声」に注目して、普段聞けないような試合中の会話を放送していました。声出し応援が解禁された時は、「あの頃の日常が戻ってくる」とスポーツファン全員が喜びを爆発させました。私はスポーツ観戦が趣味ですが、もちろん競技そのものも大好きです。しかしコロナ過を経て、応援するファン達の団結感や、スタジアムの独特な雰囲気、日常では味わえない「観戦を体験すること」が好きだったのだと思い気付きました。

サッカーJリーグで声出し解禁がされた直後の2023年4月、日経新聞で元サッカー選手の野々村芳和さんが応援についてこう語りました。

『サポーターはいつもスタジアムに熱量を生み出し、一緒に「作品」を作ってくれる。自分のテンションの限界を超えた先に連れて行ってくれるのは自チームのサポーターの熱量だ』

来年はWBCにワールドカップと、野球とサッカーの一大イベントが開催される年でます。ぜひ皆さんも、会場でスポーツ観戦の熱気を味わってみてはいかがでしょうか。知らないスポーツでも、きっと楽しめるはずです。