突然の大雨 発生頻度が増加する豪雨がもたらす水害とは

気象庁は18日、関東甲信、北陸、東北南部の梅雨明けを発表しました。雨傘が手放せなかった日々から一変、猛暑日が続いています。

とはいえ、雨への備えは怠ってはなりません。水害の知識を高める必要があるでしょう。まず、知っておきたいのが、梅雨の時期に各地を襲ったゲリラ豪雨の仕組みです。突発的・散発的に発生して局地的に短期間で降るゲリラ豪雨が起きる大きな原因としては「上空の寒気の影響」「地表付近の空気の温度の上昇」「湿度の上昇」などが挙げられます。

夏は太陽によって地表近くの空気が暖められ、上昇気流が発生しやすくなります。これにより大気の状態が不安定となり、急激な上昇気流によって積乱雲が発達し、時にはゲリラ豪雨をもたらします。地表の暖かい空気が原因の一つとなっているのでヒートアイランド現象の進行によって発生しやすくなることが懸念されています。

 

ゲリラ豪雨だけでなく大雨にも気を付けなければなりません。年間発生回数は増加しており、気象庁が時間当たり降水量別の年間発生回数について統計をまとめるようになった1976年から85年と直近の2015年~24年の10年間を比較すると以下のような結果が分かります。

・1時間50㎜以上は約1.5倍に増加

・1時間80㎜以上で約1.7倍に増加

・1時間100㎜以上となると約1.8倍に増加

1時間降水量が80㎜以上、3時間の降水量が150㎜、日降水量が300㎜以上という強い雨の発生件数は1980年代と比べると2倍ほどになっています。このデータは全国にある地域気象観測システム(アメダス)によって集められています。

八丈島特別地域気象観測所(アメダス)(2024年8月8日、筆者撮影)

 

ゲリラ豪雨や大雨が発生した場合には川の氾濫などの水害を引き起こすことがあります。全国の市区町村の約97%で、2011年から20年までの10年間に河川の氾濫などの水害が記録されています。さらにこのうちの45.6%では10回以上の水害に見舞われました。

近年では24年7月25日からの大雨により秋田県の子吉川、山形県を流れる最上川で氾濫が発生しました。この地域を襲った大雨によるものです。多い場所では総雨量が500㎜を超え、7月の平均雨量を上回ったほどです。この時には両県で記録的短時間大雨情報が5回発表されました。また、山形県では線状降水帯が2回発生し、大雨特別警報が2回発表されています。

水害が増えることで、避難の機会が多くなっています。その際に気を付けなければならないことがあります。移動手段として自動車を使うと、水に浸かってしまった場合にドアを開けられず、閉じ込められてしまうことがあるので極めて危険です。家を離れる時には火災を防止するためにガスの元栓を閉め、電気のブレーカーを落とす必要があります。

 

被害をなくし、あるいは軽減するには、天気予報や防災情報を収集するなど日ごろの備えが大切になります。これから台風シーズンを迎えます。食料の備蓄を心掛けるだけでなく、地域の電柱などに掲示されている付近の川の想定浸水深やハザードマップに意識して生活したいものです。

 

参考資料:

東北地方整備局 河川部 【概要版】令和6年7月25日からの大雨による出水の概要《 第3報 8月20日 15時時点》

https://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b00037/k00290/river-hp/kasen/syussuisokuhou/R6.7/shussuisokuhou240821-1.pdf

政府広報オンライン 河川の氾濫や高潮など、水害からあなたの地域を守る、「水防」

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201507/1.html#firstSection

内閣府 防災情報のページ 令和6年7月25日からの大雨に係る被害状況等について

https://www.bousai.go.jp/updates/r6typhoon5/pdf/r6typhoon5_07.pdf

国土交通省 ゲリラ豪雨、その時川はどうなるの?

https://www.mlit.go.jp/river/kawanavi/observe/vol3.html

国土交通省 気象庁 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化

https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html

日本気象協会ホームページ

https://tenki.jp/