大学3年生になり2カ月が経ちました。周りの友人は早くも就職活動を始めています。就活は4年生という印象がありましたので3年からスタートしていることに驚いています。早期化でどのような影響があるのでしょうか。
近年の就活問題が世間で注目を集め出したきっかけとして「新卒採用の2021年問題」があります。これは企業の深刻な人手不足が進む中、大学を卒業して企業で働き始める新卒人口が22年から減少傾向に転じることを指し、この言葉はトレンドになりました。22年春卒の就活は21年から始まりましたが、企業にとっては内定者を確保するのが難しくなったのです。
企業は労働力不足が深刻化するという危機感を持っています。そのため、大学生の数は従来とあまり変わっていないにも関わらず、新卒の採用熱はこれまで以上に高くなっています。
ということは、これからの大学生は就職しやすいのでしょうか。実はそんなことはありません。
大きな背景に終身雇用の終焉があります。いまや必要なスキル、経験、資格などを持つ人材を職務内容に合わせて採用する「ジョブ型雇用」が主流になりつつあります。本人の価値観やキャリア形成などの基礎的な項目だけでなく、大学で専攻している内容が自社の職務に活かせるのか、またデータ分析力、ロジカルシンキングといった学業で培われるであろう汎用的な能力も求められています。
企業は採用難の時代になんとか良い人材を確保したいため、早期選考で内定を出します。しかし、キャリアを積み、学業を育む場所は大学であり、早期化することにより「良い人材」になるための学びの期間が短くなってしまうとも言われています。多くの企業は今月で夏のインターンの受付を締め切ります。乗り遅れないよう、注意深く就活を進めていこうと思います。
参考記事:
15日付 日本経済新聞電子版
理系大学院生、進学直後から就活 超早期化で研究に支障も(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC14BNC0U5A510C2000000/)